[ボランティア] 災害復旧へ偏在解消を
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 発生から8年が経過した東日本大震災や、熊本地震、西日本豪雨などの大災害で力を発揮してきた災害ボランティアが、鹿児島県内でも近年大幅に増えている。
 県社会福祉協議会(社協)によると、2016年の県内のボランティア登録者数は18万315人に上る。30年前に比べほぼ倍増した計算で、県民のおよそ9人に1人が登録していることになる。
 人々の自発的な活動は、被災地の復旧・復興にとって大きな力となるが、調整不足により必要な場所に人手が回らないなど課題も残る。国や各自治体は、社協が設置する災害ボランティアセンター(ボラセン)と連携して、人員の偏在解消に努めてほしい。
 日本で災害ボランティアに大きな注目が集まったのは、6000人以上が亡くなった1995年1月の阪神大震災だ。全国から延べ約140万人が炊き出しやがれきの撤去に訪れたことから、後に「ボランティア元年」ともいわれた。
 その後、97年のナホトカ号重油流出や2004年の新潟県中越地震を経て、被災市町村の社協がボラセンを設置し、ニーズ把握や派遣調整を行う仕組みができた。
 鹿児島で初めてボラセンが設置されたのは、05年の台風14号の影響で土砂崩れが相次いだ垂水市のケースだ。83世帯がボランティア派遣を要請したところ、中高生を含む延べ約1100人が、家屋内の清掃や床下の土砂搬出に当たった。以来、県内では七つの災害でボラセンが開設されている。
 鹿児島県民がボランティア活動のため県外に出掛ける機会も増えている。登録した人の支援形態は不明だが、天災型ボランティア活動保険の加入状況から、熊本地震では約5000人が被災地を訪れ活動に取り組んだとみられる。昨年の西日本豪雨でも鹿児島から多くの人が現地に駆けつけた。
 ひとたび災害が発生すれば自治体職員はさまざまな復旧対応に追われ、ボランティア間の調整役が不在になりがちだ。早急に支援が必要な人や地域に物資が十分に届かない事態に陥ることもある。
 このため国は、都道府県ごとに行政とボランティア団体の間に入り調整役となる「中間支援組織」の設置を促している。災害が複数の自治体にまたがる場合は広域連携の窓口にもなってもらう。熊本地震や九州北部豪雨ではNPOなどの団体が調整役を担い成果を上げた例があり、国はこうしたノウハウを全国に広げたい考えだ。
 最近の災害は大規模化、広域化する傾向にある。実効性ある組織をできるだけ早く立ち上げ、頻発する災害に備えたい。