[新時代へ・自治] 住民の参画が再生の鍵
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 日本の総人口は2008(平成20)年をピークに減少に転じ、平成元年に約12%だった65歳以上の高齢者人口の割合は、この30年で28%に増大した。
 鹿児島県の人口は約180万人から20万人近く減った。高齢化率は既に5割近い自治体もある。
 人口減と高齢化が加速する中、住民が安心して暮らせる社会をどう維持するか。新たな時代もこの難題に向き合っていかなければならない。
 地域のかたちは大きく変わった。「平成の大合併」(1999~2010年)により、全国の市町村数は約3200から1700余りとなった。県内では04年の薩摩川内市誕生を皮切りに、96から半分以下の43に減った。
 合併は国が主導した。市町村の行財政基盤の強化と地方分権の推進を目的に、財政優遇の特例債が活用された。職員削減や公共施設統廃合、インフラ整備が進み、一定の評価はできよう。
 その一方で周辺部が寂れた、住民の声が行政に届きにくい、地域のコミュニティーが薄れた-といった不満も根強い。住民の立場で合併の功罪をしっかりと検証する必要がある。
 ただ、地方分権の進展という視点に立てば、合併を選択しなかった市町村を含め、「地方の自立」はいまだ道半ばと言わざるを得ない。
 地方分権改革は1993年、国から地方への権限移譲を求める衆参両院の「地方分権の推進に関する決議」で動きだした。
 99年に成立した地方分権一括法で、国との関係は「上下・主従」から「対等・協力」になった。だが、国は今も「要請」といった形で口を挟み、構図はそう変わっていない。
 小泉純一郎政権は「地方にできることは地方に委ねる」と訴え、税財政の三位一体改革を進めた。2004年度から3年間で3兆円の税源を移譲したが、5兆円超の地方交付税を削減。多くの自治体を失望させた。
 安倍晋三政権は14年、人口減対策と東京一極集中の是正を目指して「地方創生」を打ち出した。子育て支援などの自治体の取り組みを交付金を使って後押しするが、企業や政府機関の地方移転は進んでいないのが実態だ。政権の本気度が問われる。
 人口や税収が減り、市町村は政策の選択と集中という難しいかじ取りが求められる。その役割はこれまで以上に大きくなる。
 議会の責任も重い。平成最後の統一地方選では、地方議員のなり手不足がより深刻化した。投票率も下がり続け、地方自治の土台は揺らいでいる。
 地域の将来を決めるのは、あくまで住民である。どう再生させ、次代につなげるのか。知恵と行動力、そして覚悟を持って取り組まなければならない。