[就活解禁] 厳しい環境 乗り切ろう
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 2022年春に卒業する大学生・大学院生の新卒採用の会社説明会が解禁された。新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中で「超売り手市場」は一転、学生にとっては厳しい就職活動がスタートした。
 対面での合同説明会は昨年、大半が中止に追い込まれたが、今年は県内でも開催が計画されている。希望する企業との“出会いの場”を生かし、就職戦線を乗り切ってほしい。
 企業の採用意欲はコロナ禍に左右され、業種によって温度差がある。
 リクルートワークス研究所が昨年12月に発表した調査結果によると、前年より22年卒の採用数を「増やす」と答えた企業は7.7%で情報通信や建設は10%を超えた。特にITに精通した学生の獲得競争が激化している。
 一方、「減らす」と答えた企業は11.6%だった。中でも飲食業・宿泊業は21.6%と影響が大きい。
 交通・旅行業界もANAグループが全体で毎年3000人程度だった新卒採用を約200人に縮小。日本航空も約200人で、コロナ流行前の20年度入社の実績に比べ約9割減らす。JR九州やJTB、日本旅行は採用を見送る。
 採用者数を減らす業種が多い中、コロナ禍に関連する解雇や雇い止めも相次いでいる。学生が就活に不安や焦りを感じているのが実情だろう。
 インターンシップ(就業体験)に参加した学生からは「オンライン中心だったため、会社の雰囲気が把握しにくい」との声が聞かれる。また、オンライン授業が多く、他の学生の様子が見えず就活に出遅れる学生はいないか。大学の担当者の目配りが欠かせまい。
 政府は面接などの選考は6月1日からと日程ルールを決めているが前倒しする傾向が続く。既に選考を始めている企業は少なくないようだ。
 一方、コロナ禍の影響なのか、鹿児島県内の大学では地元志向が強まり、県外からUターンする学生の増加も見込まれるという。
 県は学生のUターン・地元就職を後押しするため、県外在住の大学生らがインターンシップや採用面接で鹿児島に戻ってくる際、交通費を支給する企業に最大10万円を補助する事業を始める。各企業は機を逃さないよう学生の確保に知恵を絞ってほしい。
 コロナ禍の収束が見通せず、採用に慎重にならざるを得ない企業は少なくないはずだ。ただ、採用の手控えが広がれば、新たな就職氷河期世代が生まれかねない。
 政府は企業側が積極的に採用するよう経団連などに要請した。コロナ禍が収束すれば再び人手不足が予想されるほか、企業の将来を考えれば若者を安定的に採用することが不可欠なのではないか。中長期的な視点に立った採用を望みたい。