[女性議員] 立候補しやすい環境を
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 女性の政治参画が進まない。全国的に女性議員の比率は低く、鹿児島県内ではなお平均を下回っている。
 地方議会は住民の代表機関である。多様性が求められている中、女性ができるだけ立候補しやすい環境を急いで整える必要がある。
 県内43市町村議会の女性議員の割合は昨年末現在、市13.2%、町村6.2%で、全国(2019年末現在)の市区16.6%、町村11.1%よりいずれも少ない。
 24市町村議会は1割未満で、13市町村議会には一人もいない。19年末現在、女性議員ゼロの市区町村議会が3割超の都道府県は、鹿児島など7道県にすぎない。
 国政も同様だ。女性の割合は衆院10%、参院23%にとどまる。世界166位の低レベルだ。
 女性の進出はなぜ進まないのか。共同通信の女性議員アンケートでは「政治は男性のもの」という固定観念や家庭・子育てとの両立を挙げている。
 育児などさまざまな課題に直面している人であればなお、議場で政策課題を訴えてもらいたい。多様な意見が地方自治に反映されてこそ、議会は活性化するはずである。
 女性を増やす手段の一つとして、議席や立候補者などの一定数を女性に割り当てるクオータ制がある。南日本新聞が県内の女性議員全74人に行ったアンケートでは、導入に「賛成」51.4%、「どちらでもない」43.2%だった。
 「特に鹿児島県は、能力がある女性でも自主的に立候補するのは難しく、クオータ制を取り入れなければ増やすのは難しいと実感する」との賛成意見の一方、「人数もだが、ある程度の『質』が重要」との声もあった。
 クオータ制には「過度な女性優遇」との慎重論も根強い。だが、男性が大半を占める現状の改善は急務である。
 本紙のアンケートでは女性を増やす取り組みには、性に基づく差別や偏見をなくすための教育や、議員活動と育児などの両立支援を求める意見が多かった。女性が参加しやすいよう、こうした課題を着実に解決していくべきだろう。
 18年には国と地方の選挙で男女の候補者数をできる限り均等にすることを目指す「政治分野の男女共同参画推進法」が成立した。候補者数に目標値を設定し、各政党に自主努力を促す。
 国政の場合、与党の女性立候補者は1割程度にすぎない。現職が多く、新たに立候補できる選挙区があまりないという事情がある。だが、多選を禁止する規定を設けるなど対策を講じることが欠かせまい。
 今年は衆院選も行われる。少子高齢化が進み、コロナ禍で人々の暮らしが変わる中、各政党の本気度が問われる。