[みずほ銀障害] なぜ4度も繰り返すか
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 みずほ銀行のシステム障害が止まらない。この2週間で4度も起きた。
 預け払いや送金といった銀行の機能は社会を支える基盤だ。デジタル化が進む中ではシステム管理やバックアップ態勢が極めて重要になる。
 繰り返すトラブルは、社会を脅かす深刻な危機であり、あまりにも責任感を欠いている。組織の在り方を含め、徹底的に原因を突き止めなければならない。
 みずほ銀では2月28日~3月1日、現金自動預払機(ATM)からキャッシュカードや通帳が戻らない障害が起き、顧客対応も後手に回った。藤原弘治頭取は「二度と起こさないとの強い決意の下、再発防止に全力を尽くす」と述べた。
 だが、3、7日にもATMが止まった。さらに11日深夜、4度目の障害が発生し、企業の外貨建て送金を一時滞らせた。本来作動するはずのバックアップ機器への切り替えもうまくいかなかったという。
 みずほ銀は、再編発足した2002年4月と、東日本大震災が発生した11年3月にも大規模障害を起こし、いずれも金融庁が業務改善命令を出している。このため4000億円以上を投じて19年7月に現行システムに移行した。
 なぜ障害が多発するのか。一連の反省が生かされないのは、システム運用だけではなく、企業風土に何か要因があるのではないか。
 経営陣はシステムを安全に運用するという銀行の責務を軽んじていると言わざるを得ない。障害が多発すれば、顧客は不信感を高めるに違いない。相当な対策を取らなければ、“みずほ離れ”を防ぐことはできないだろう。
 みずほ銀の20年末預金残高は122兆円で、取引先には日本を代表する多くの大企業を持つ。
 外貨を取り扱う業務が当たり前になった今、外貨建て送金を遅らせたことは顧客企業の信用にも関わりかねない。メガバンクの一角で異常事態が続けば、海外から日本の金融システム全体へ不信の目が向けられることにもなろう。
 金融庁は、銀行法に基づく報告命令をみずほ銀とみずほフィナンシャルグループに出し、障害の詳しい原因や再発防止策などを求めている。以前にも増して強い姿勢で監督指導に当たるべきだ。
 大規模なシステム障害はこれまで他社でも度々あった。全国各地の空港で搭乗手続きができなくなったり、携帯電話での通話やデータ通信が利用できなかったりした事態が起きている。
 いったん発生すれば、人々の生活や経済活動に大きな影響を及ぼすのがシステム障害の怖さである。全ての企業や自治体は、他山の石としなければならない。