[五輪まで100日] 世論と隔たりどう解消
( 4/15 付 )

 新型コロナウイルスの影響で延期となった東京五輪は、開幕まで100日を切った。
 だが、感染が再拡大し変異株も広がり、国内では再延期や中止を求める声が根強い。観客数の上限や水際対策を巡って課題も山積する。
 感染を抑え込み、こうした懸案を解消しなければ世論との隔たりは埋まらない。
 観客については、海外からの受け入れは既に断念しており、当面の問題は今月中に方向性を出す人数の上限だ。
 日本側は国内イベントの上限に準じることを基本としており、会場収容人数の50%の案が有力視されている。
 しかし、新型コロナのまん延防止等重点措置の東京への適用で、都内のイベントは上限5000人となった。観客数は、大会全体の印象や運営に直結するだけに厳しい調整が続くだろう。
 水際対策では、政府は来日する大会関係者に入国後3日間の完全隔離を求めてきた。一方、国際オリンピック委員会(IOC)などは大会運営の観点からこうした措置に難色を示す。
 4~5月に日本で開催予定だった飛び込みなどの五輪最終予選3大会は、国際水泳連盟が関係者への厳しい隔離措置などを理由に中止を通告し、日本側が譲歩を余儀なくされる一幕もあった。
 入国した人の行動管理や公共交通機関の利用でも関係機関の立場は割れている。日本政府は感染防止を最優先する立場を明確にすべきではないか。
 欧米諸国に比べ、ワクチンの確保、接種が遅れていることも逆風となっている。ようやく高齢者への接種が始まったが、一般はまだ見通せない。
 共同通信社が10~12日に実施した全国世論調査によると、五輪・パラリンピックを今夏開催するべきだと答えた人の割合は24.5%だった。再延期、中止は合わせて70%超。いずれも3月の前回調査とほぼ同じである。
 この間、白血病による長期療養を乗り越えた競泳女子の池江璃花子選手が五輪代表入りを決めるといった明るいニュースもあった。それでも開催の支持率を好転させるには至らなかった。
 現在巡回中の聖火リレーも支持が広がらない。世論調査では、最後まで継続するべきだと答えた人は13.2%にとどまる。大阪のランナーは、公道ではなく一般の見学ができない公園を周回せざるを得なかった。先行きの不透明感が募る光景だったと言わざるを得ない。
 IOCのコーツ調整委員長は「大会は7月23日に始まる」と断言する。バッハ会長は来月中旬、広島県での聖火リレーに合わせて来日する予定だ。
 主催者側がコロナ下で開催する意向であれば、国内外を納得させられる具体的な対策を示すべきである。