[新型コロナ・緊急事態発令へ] 地方の感染拡大阻止を
( 4/22 付 )

 政府は新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都、大阪府、兵庫県に緊急事態宣言を発令する方針だ。昨年4月以降、3度目の宣言となる。
 新規感染者数は首都圏や関西圏だけでなく、愛知や徳島、福岡など各地で高い水準にある。このままでは医療提供体制が一層厳しくなる。
 政府は早急に宣言を発令するとともに、地方への感染拡大阻止に向けて万全の対策を講じるべきである。
 大阪府内では3月下旬以降、変異株が主流となり爆発的に拡大、1日当たりの感染確認は千人を超えた。緊急事態宣言に準じた対策が取れる「まん延防止等重点措置」の適用から2週間が経過したが、感染再拡大に歯止めはかかっていない。
 府内では重症者用のベッドがほぼ満床になっている。今後も重症者の増加が予想され、医療従事者は「災害レベルの緊急事態」と警戒する。国は適切な治療が受けられるよう人手や設備の確保など調整を急ぐ必要がある。
 厚生労働省にコロナ対策を助言する専門家組織は、変異株の割合が大阪と兵庫で約8割に上るとの分析結果をまとめた。東京でもおよそ半数が従来株から置き換わっているという。
 国内で最も多く確認されている英国株は従来株よりも約1.3倍感染力が強いとされる。これまで以上に人の流れを抑えるべきだろう。
 大阪府は宣言が発令されれば、大規模な遊興施設や商業施設などに休業を要請したり、飲食店には休業や酒類の提供禁止を求めたりする案を示している。イベントは原則中止か延期とし、企業にはテレワークの徹底を求める。
 一定の効果が期待されるとはいえ、厳しく営業を制限すれば、宣言対象地域から全国の観光地などへ人が流れ、感染を広げる恐れがある。都市部に比べ地方は医療体制が脆弱(ぜいじゃく)で、感染急拡大は医療崩壊につながりやすい。
 政府は昨年4月16日、ゴールデンウイークを前に当初7都府県だった宣言の対象地域を全国に拡大した。鹿児島県内でも商業施設や図書館、美術館など公共施設が自主的に臨時休業や休館に踏み切った。
 宣言が全国に拡大する事態を招かないためにも、政府は都府県をまたぐ移動を自粛するよう強く求めるべきではないか。ダメージを受ける観光や飲食業などへの支援も欠かせない。
 ワクチン接種は高齢者向けが始まったばかりだ。政府は接種対象となる国民全員分が「9月までに供給のめどがついた」と説明するが、具体的な接種時期は見通せない。
 政府はこれまでの宣言や重点措置などを早急に検証し、コロナ禍収束へ有効な対策を打ち出すべきである。