[小学教科担任制] 専門性高い人材確保を
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 小学5、6年で、1人の教員が特定の教科を担当し、複数の学級で教える教科担任制が導入に向けて動きだした。中教審の答申は2022年度をめどに本格導入すると明記。対象教科は理科、算数、英語を例示した。
 小学校は現在、1人の教員がクラスのほとんどの授業を受け持つ学級担任制を基本としている。教科担任制が導入され、教員が得意分野を教えることにより、授業の質が高まることが期待される。実効性のあるものにするには、専門性の高い人材を確保する必要がある。
 中教審は、義務教育の9年間を見通した教育課程の在り方について答申。小学校での教科担任制導入は、既に同制度が取り入れられている中学へ円滑に移行するために5、6年を対象とした。教科は実験や観察に取り組む理科、つまずく児童が多い算数、20年度から教科となった英語を挙げた。
 小学高学年になると、学習の難易度が高くなる。専門性を持つ教員が担当すれば、授業の創意工夫や教材研究が充実し、児童の学ぶ意欲も向上するだろう。中学進学後も授業形態が変わらないため、環境の変化に悩む「中1ギャップ」の解消も見込まれる。
 教員にもメリットがある。同じ授業を複数の学級でするため、効率的に準備ができ、働き方改革につなげることもできよう。
 多くの教員の目で多面的に児童を見ることで、個々の良さを引き出せるだろう。一方、担任が児童と顔を合わす時間が減るため、いじめの端緒など小さな変化に気付かない恐れもある。
 教員同士が情報を共有し、学校全体で子どもたちを見守る雰囲気をつくっていきたい。
 鹿児島県は過疎地を中心に、小規模校が多い。教科担任制を導入した場合、都市部の大規模校と同じように必要な教員数を確保できるのかという課題がある。綿密な制度設計が急がれる。
 学校の規模や地域によって、教育格差が生じてはいけない。等しく教育を受ける権利が保障されなければならないことは、言うまでもない。
 公立小学校は25年度、全学年で35人学級となり、現行よりも学級数が増えるため必要な教員数も増加する。人材を確保する上で、教員志望者の減少傾向を食い止める対策も必要だろう。
 答申は、小中学校両方で教えられるよう教員免許の取得要件を弾力化することも提案した。この機会に小中学校の連携を進め、小中一貫教育の導入などもさらに検討していきたい。
 プログラミング教育の必修化や英語教科化で、児童の学びの範囲は広がっている。新学習指導要領が「主体的・対話的で深い学び」を掲げる中、質の高い授業を提供するためには、教員の指導力を高めることが欠かせない。