[女性の政治参画] 多様な視点、社会に必要
( 7/24 付 )

 国会や地方議会で女性の議員が増えず、政治参画が進んでいない。
 現代社会は少子高齢化や貧困、教育格差など、さまざまな課題を抱えている。男性と女性双方の視点が入ることで、価値観が広がって新たな政策の策定が期待できる。
 先の通常国会で政治分野の女性参画拡大を目指す改正推進法が成立した。民主主義は多様な視点や考え方によって支えられている。よりよい社会をつくる上で、女性が政治に参加することは不可欠である。
 国際組織「列国議会同盟」によると、各国議会で女性議員が占める割合は平均26%。これに対し、日本の衆院はわずか10%で166位にとどまる。
 鹿児島県内の女性議員の比率は全国の中でも低い。2020年末現在、43市町村議会で女性議員が占める割合は市議会13.2%、町村議会6.2%で、県議会は10%。全国平均は19年末時点で単純比較はできないが、市区議会16.6%、町村議会11.1%、都道府県議会11.4%となっている。
 南日本新聞は2月、当時の県内の女性議員全74人を対象にアンケートを実施した。政治分野での男女共同参画推進に必要な取り組みとして、「性に基づく差別や偏見をなくすための教育」「議員活動と育児などの両立支援」「家族の理解」を訴える声が多かった。
 アンケートからは、「政治は男性のもの」とする固定観念が根強く、女性が社会的性差や私生活の壁に悩んでいる状況がうかがえる。
 改正推進法は、セクハラやマタニティーハラスメントの防止策を国や地方自治体に求める条文を新設。研修の実施や相談体制の整備を盛り込んだ。
 このほか、地方議会を男女共同参画の推進主体として明記し、積極的な取り組みを促した。議会を欠席する要件に妊娠や育児を例示している。
 改正推進法の趣旨を生かせるかどうかは議会の取り組みが鍵を握る。女性が立候補しやすい環境づくりを急がなければならない。
 女性の政治参画は有権者の意識次第で進めることができる。どのような民意を政治に反映させたいのか、民主主義の在り方が問われているといえる。
 さらに、候補者の一定比率を女性に割り当てるクオータ制の導入も検討してみてはどうか。男性偏重の意識や慣習を改めるには思い切った対応が欠かせまい。
 1946年の衆院選で女性が初めて参政権を行使して、今年で75年になる。女性の政治参画は単に議員を増やすのが目的ではない。当選後に議員活動に専念でき、再選を目指そうと思える環境が整っていることが重要だ。
 求められているのは成熟した社会である。各政党は次期衆院選で考え方を公約に掲げ、論戦を展開してほしい。