[有料レジ袋1年] なお遠い脱プラへの道
( 7/25 付 )

 深刻な海洋汚染をもたらしているプラスチックごみの削減を目指し、政府がレジ袋の有料化を全国の小売店に義務付けて1年が過ぎた。
 コンビニなどでレジ袋を断る客は増えている。しかし、年間800万トン以上排出されるプラごみ全体から見ればごく一部で、効果は限定的だ。
 他のプラ製品を含めて使用を控え、使い捨てにしない「脱プラ」の実現を急がなければならない。政府は消費者の関心を高めながら、プラごみ削減対策を強化すべきである。
 レジ袋の有料化は政府のプラスチック資源循環戦略の一環で、昨年7月に始まった。コンビニ各社で成果が出ており、今年5月末までのレジ袋の辞退率はローソンが75%、鹿児島県内のファミリーマートも76%に上った。
 ただ、レジ袋の量はプラごみ全体の2%程度にすぎないとの試算もある。容器包装、ペットボトルなど大部分を占める他のプラごみへも対策を広げることが求められる。
 国内のプラごみは主に、焼却熱を発電に使う「熱回収」で焼却されたり、製品原料にリサイクルされたりしている。一部は輸出して処理しており、日本は米国やドイツと並ぶプラごみの輸出大国である。
 プラごみは輸出先で適切に処理されなければ海洋汚染を招く。受け入れ制限の動きが各国に広がる中、1月には輸出入を規制する条約も発効した。
 こうした状況を踏まえ、プラごみのリサイクル強化と排出削減に向けた新法「プラスチック資源循環促進法」が先月成立した。環境省などは来年4月の施行を目指している。
 目玉は市区町村に求めるプラごみの「一括回収」だ。食品トレーなどの容器包装に加え、おもちゃといった製品もプラスチック資源として一緒に回収することを努力義務とする。負担が増す自治体には、人員やコストの増加などを踏まえた支援策を考えるべきだろう。国は国内リサイクル体制を早急に整備する必要がある。
 新法は飲食店やコンビニなど使い捨てのスプーンやストローなどを多く提供する事業者に、有料化や代替素材への転換などを義務付ける。業界からの抵抗も予想されるが、政府は真摯(しんし)に理解を求めていかなければならない。
 このほか、脱プラを進めるには、プラ製品のメーカーにリサイクルしやすい商品を作るよう働き掛けを徹底することも欠かせない。
 環境省が今年3月に行った意識調査で、ペットボトル飲料など使い捨てプラ製品を買わないようにしている人は32.3%にとどまった。コロナ下の巣ごもり需要で、食品容器などのプラごみが増加傾向にあるのも気掛かりだ。消費者も過度にプラスチックに依存しない生活を心掛けたい。