[新型コロナ・東京の感染最多] 原点に戻り対策徹底を
( 7/29 付 )

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。東京都ではきのう、感染者が過去最多の3177人となった。周辺の首都圏でも急増しており、千葉、埼玉、神奈川の3県は政府に緊急事態宣言の発令を要請する意向だ。
 全国でもきのう、過去最多を更新。鹿児島県内も23、25日にクラスター(感染者集団)が相次いで確認され、増加傾向にある。ワクチン接種は各地で進んでいるものの、東京五輪の影響もあり人の流れは抑え切れていない。
 夏休みに入り、お盆の帰省シーズンも近づく。不要不急の外出を控えるなど、原点に立ち返った感染対策を徹底させるよりほかない。
 東京都は4度目の緊急事態宣言下に入って2週間が過ぎた。だが、これまでとは異なり感染者は増える一方だ。
 1~4回目の宣言開始から約2週間後の人出を最初の宣言前の昨年3月と比べると、減少幅は回を重ねるごとに縮小している。宣言が人出を抑える効果は薄れていると言わざるを得ない。
 飲食店での酒類提供も停止されたが、長引くコロナ禍と協力金の支給遅れなどで、営業継続を選択する店も出てきた。政府は事業者の支援を急ぐとともに、国民に改めて感染対策を呼び掛けるべきである。
 65歳以上の高齢者のワクチン接種が進んだ結果、50代以下で感染が広がっているのも特徴だ。インド由来で感染力が強いデルタ株への置き換わりも急速に進んでいる。
 ワクチンは感染や重症化の防止に効果があるが、2回接種が完了した人は国内人口の2割強にとどまる。ワクチン効果頼みでは、まだ危うい。
 若い世代では感染しても無症状だったり軽症ですむ人も多いとされる。しかし、感染者が増えれば一定数の重症化は避けられない。
 東京都や沖縄県では、重症者用病床の使用率が上昇。全国でみても患者の搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」が増えている。病床が逼迫(ひっぱく)すればコロナ以外の治療にも影響することを忘れてはならない。
 接種に消極的な若者がいることも気掛かりだ。会員制交流サイト(SNS)などでデマや誤った情報が拡散されていることや、若者に重い傾向がある副反応への心配などが要因とされる。
 専門家によると、接種しないことで重症化や後遺症の恐れもある。強制されることがあってはならないが、正しい情報を選択し、検討した上で判断することが大切だろう。
 人の移動が増加する夏は、県内でも感染リスクが高まる懸念がある。昨夏は帰省できず、今年こそはと計画している人もいることだろう。それぞれに万全の警戒を心掛けたい。