[長引く大雨] 警戒と対策を怠りなく
( 8/17 付 )

 11日から西日本を中心に真夏の豪雨が続いている。土砂災害に巻き込まれるなどして犠牲者も出ている。
 前線は梅雨末期のように停滞し、線状降水帯が各地で形成された。大雨はあと数日続きそうだ。
 最新の気象情報に留意しつつ、土砂災害や浸水、川の増水・氾濫に警戒し、避難方法を確認するなど防災対策に努めなければならない。
 太平洋高気圧は夏の日本に晴天と猛暑をもたらすが、日本から離れれば今回のように前線が形成されて豪雨や長雨になることがある。
 ここ数日、日本付近は南に張り出した太平洋高気圧とオホーツク海高気圧のはざま(気圧の谷)に入り、西や南からの暖かく湿った空気、北からの冷たい空気がぶつかる前線ができた。
 前線に大量の水蒸気が流れ込み、降り始めからの総雨量が8月の平年値を大きく超えた所もある。気象庁によると、前線は20日ごろにかけて日本付近に停滞する見込みで、総降水量はさらに増える可能性がある。
 総務省消防庁によると、市町村が出す最高レベルの避難情報「緊急安全確保」の対象は15日に一時、福岡や広島など全国7県の計約83万世帯、計約183万人に達した。
 国土交通省はきのう朝の時点で、土砂災害を17都府県で計62件確認したと発表するなど、雨は広い範囲に及んでいる。
 これまでの雨で地盤が緩んでおり、雨がいったん落ち着いても油断は禁物だ。土壌には大量の水が含まれ、少量の雨や小さな地震でも土砂災害を引き起こす危険がある。急傾斜地は特に用心しなければならない。
 河川の下流域で雨がやんでも上流域で雨が降れば、短時間で増水して氾濫する恐れがある。浸水想定区域といった危険箇所をハザードマップで調べておくことが大切だ。早めの避難を心掛けるとともに、建物の上階に逃げる垂直避難などあらゆる対策を考えておきたい。
 一方、新型コロナウイルス感染者が鹿児島県内でも急増しており、避難所での対策は必須だ。
 阿久根市は濃厚接触者ら専用の避難場所を初めて市保健センターに確保した。県保健所と連携を強化し、市の保健師が対応する仕組みを整えた。こうした準備は欠かせない。
 市町村の指定避難所とは別に、地域の自主防災組織が開設する「届出避難所」の制度も日置市や鹿屋市で始まっている。近所の知人宅などに避難する人もいるだろう。
 こういった場所でも換気などの感染対策を忘れてはならない。各自がマスクや消毒液を準備しておき、市町村は防災無線などで感染対策を改めて呼び掛けてもらいたい。