[新型コロナ・インターン] オンライン有効活用を
( 8/31 付 )

 大学3年生を主な対象とした夏休みのインターンシップ(就業体験)が本格化している。
 現場へ行き、どんな人たちがどんな所でどんな仕事をしているか、を知ることは社会に出る前の貴重な機会となるはずだ。
 ところが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、オンラインで行う企業は少なくない。学生はむしろ逆手に取って多くの企業を知るチャンスと捉えてはどうか。企業側もオンラインを有効に生かしてもらいたい。
 リクルートが今春行った企業調査によると、インターンの方法は対面とオンラインの併用が45%と最も多い。昨シーズンは対面のみが最多だった。
 感染が深刻化する中、オンラインのみに切り替える企業は今後増えていく可能性がある。
 オンラインにも利点はあろう。特に地方在住の学生にとって、関東や関西との間を何度も往復する必要はなくなり、交通・宿泊費がかさまずに済む。パソコンと通信環境さえあれば、全国の企業に数多く接することができる。
 一方、企業にはコロナ下で過ごしている学生に配慮した対応を望みたい。
 昨年からオンライン授業を強いられ、サークル活動やアルバイトも思い通りにできずにいる学生は多い。人と接する機会が減っている学生が、社会人や他の大学生と交流する機会をつくることは大切だ。
 企業には感染対策を取りつつ、できる限り学生が実際に足を運んで社内の雰囲気を体感し、社員から直接話を聞ける場を設けるように求めたい。
 その上で、オンラインもうまく活用すれば、全国の学生に自社の特徴や社風を伝えることができる。結果として、入社後のミスマッチを防ぎ、離職を減らすことにもつながるはずである。
 経団連と大学側でつくる産学協議会は4月、インターンについて「学生がその仕事に就く能力が備わっているかを見極めるための就業体験」と規定した報告書をまとめた。
 また、1日限りの日程では就業体験が十分にできないとして、実務体験を伴わない短期プログラムはインターンの名称を使わないことも決めている。
 一部の企業でインターンが事実上の選考につながっているとの批判が背景にある。学生側からインターンの位置付けが不明確との不満も出ていた。
 インターンについて、政府は採用選考とは異なるものだと明確にするよう企業に求めている。企業はインターンの趣旨をはき違えてはならない。
 早まる傾向の就職活動、新卒一括採用といった選考の在り方全般について、企業や大学、政府は再考することも必要である。