[2学期スタート] 子どもたちを見守ろう
( 9/1 付 )

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、鹿児島県内の多くの学校で2学期がスタート、不安を抱えたまま子どもを学校へ送り出す保護者は少なくないだろう。
 加えて、夏休み明けは子どもの心が不安定になりがちだ。学校と家庭は感染対策の徹底とともに、子どもたちの発信するSOSに耳を傾けたい。
 新型コロナの「第5波」では、子どもへの感染が県内でも増えている。感染力が強いデルタ株がまん延し、親子で一緒に過ごす時間が長い夏休みに親から子への家庭内感染が急速に広がったとみられる。
 一方、子ども世代のクラスター(感染者集団)が学校の課外活動や部活動、児童施設でも確認されている。学校の再開に伴い、同様の事態が懸念される。最大限の注意が必要だ。
 学校の対応は自治体ごとに異なる。薩摩川内市は甑島を除く市立小中学校などの新学期開始を遅らせた。まん延防止等重点措置が適用されている鹿児島市などでは時差登校や分散登校を実施し、入り口で検温する学校もある。
 重点措置地域以外の学校や児童クラブなどでもマスク着用や教室の換気を徹底したり、机の距離を離したりといった対策が不可欠だ。少しでも体調が悪いと感じた児童生徒は休み、教員も周りに気兼ねなく休めるよう、それぞれの学校で認識を共有しておきたい。
 もし感染者が出たら学級閉鎖や休校などの判断に迫られる。秋は体育祭や文化祭など行事も多い。学習の機会も確保しなければならないが、まずは感染を最小限にとどめることを優先すべきではないか。混乱しないよう家庭とも密に連絡を取りたい。
 コロナ禍の収束が見えず、子どもがストレスを抱えているとも指摘される。昨年は小中高校生の自殺が全国で過去最多の499人に上り、今年上半期も昨年より増えている。感染拡大による環境の変化が一因とされる。
 特に、夏休み明けは自殺に追い込まれる児童生徒が多くなる傾向がある。「学校に行きたくない」といった訴えをしっかり受け止め、いつもと変わった様子があれば、話を聞く時間を設けるなど向き合うことが大切だ。
 悩んでいる子どもたちは親や友だちに相談したらいい。行政や民間が開設している相談窓口を利用することで解決の糸口が見つかるかもしれない。
 登下校中の交通事故も一向になくならない。直近5年間の統計では、県内で歩行中にけがをした子どものうち、半数近くが登下校時だった。
 児童通学保護員やPTAが通学路に立つなどしている地域は少なくない。こうした取り組みを強化するとともに、ドライバーも改めて安全運転を心掛けてほしい。子どもの命と健康を地域を挙げて見守っていきたい。