[御嶽山噴火7年] 防災対策さらに強化を
( 9/28 付 )

 58人が死亡、5人が行方不明になった御嶽山(長野、岐阜両県)の噴火から7年がたった。
 火山災害として戦後最悪の犠牲者を出し、防災対策が見直される契機にもなった。
 鹿児島県でも十島村・諏訪之瀬島の御岳で噴火が活発になっており、桜島は山体にマグマやガスがたまった状態にある。火山防災の取り組みをさらに強化しなければならない。
 御嶽山の噴火は紅葉シーズンの土曜日、昼時だった。多くの登山者が山頂周辺にいたため、噴石の直撃を受けるなどして命を落とした。
 噴火警戒レベルは最も低い1(平常=当時)から、直後に3(入山規制)へ引き上げられた。現在は1(活火山であることに留意=新呼称)に下がり、火口1キロ圏内は立ち入りが規制されている。安全対策を強化した一部ルートから山頂までの登山は可能となっている。
 噴火を教訓に防災対策は進んだ。気象庁は噴火速報をスマートフォンなどを通じて提供。火山周辺の自治体は、専門家が入った火山防災協議会を設置することが義務付けられた。
 噴火予知にはまだ限界があるからこそ、観測網の整備や噴石から身を守るシェルター設置などをさらに進めてもらいたい。登山者自身が安全対策を取ることも大切である。
 気になるのは諏訪之瀬島の御岳である。昨年秋から活発な状態が続き、今月14日からは爆発が増えている。26日には噴煙の高さが観測史上最高の5400メートルに達した。
 噴火警戒レベルは3を継続しており、気象台は火口から2キロの範囲で大きな噴石の飛散に警戒するよう呼び掛けている。火口から南西約4キロに集落があり約80人が住んでいる。引き続き冷静に対応しつつ気象台などからの情報に注意したい。
 桜島は山体膨張を示すわずかな地殻変動が引き続き観測されており、噴火活動は再び活発化する恐れがある。噴火や火砕流への備え、避難体制の確認など点検しておくことが必要だ。
 御嶽山の災害では地元住民だけでなく、登山者や観光客など幅広い防災対策の必要性が課題に浮かび上がった。
 霧島連山では新燃岳が約300年ぶりにマグマ噴火を起こし今年で10年。登山客向けに避難情報を迅速に伝えるため、サイレンを7カ所設置。えびの高原では観光、宿泊施設が自主防災組織をつくり、登山客の避難誘導訓練を毎年続けている。
 火山と共存していくための防災対策は不特定多数を相手にしなければならない。あらゆる事態を想定して専門家と自治体、住民、観光・交通や登山関連業界が緊密に連携することが不可欠である。