[北朝鮮ミサイル] 挑発より対話の道探れ
( 10/3 付 )

 9月以降、北朝鮮のミサイル発射が相次いでいる。30日にも新たに開発した対空ミサイルの発射実験を行ったとされ、先月だけで4回に上った。
 一連の行動は、多様な兵器の開発が進んでいることをアピールする狙いとみられる。だが、軍事力を見せつけて米国などとの対話を引きだそうする試みは、すでに行き詰まっている。ミサイル発射ではなく、外交による対話の道を探るべきだ。
 北朝鮮のミサイル発射は、国際社会に自らの存在を誇示する側面が強い。
 11、12日の長距離巡航ミサイル発射実験は、日米韓の高官が東京で協議する前日の13日に発表。15日の弾道ミサイル発射は、中韓外相の正式会談終了直後だった。極超音速ミサイルとされる28日の発射は、国連総会で北朝鮮の金星(キムソン)国連大使が演説をする直前だ。
 金大使は「米国が威嚇をやめるなら、明るい展望が開かれる」と述べた。しかし、挑発的な姿勢が国際社会の理解を得られるとは思えない。
 気掛かりなのは、北朝鮮がミサイルの多様化を進めていることだ。
 長距離巡航ミサイルについて北朝鮮は「自国領空に設定した楕円(だえん)と8の字形の軌道に沿い、2時間6分20秒にわたり1500キロ飛行して、目標に命中した」とする。事実であれば日本の大半が射程に入る。巡航ミサイルは低空で軌道を変えながら長時間飛行するため、探知や迎撃が難しい。日本は今後、変速軌道で飛んでくる巡航ミサイルへの対処が必要になるということだ。
 また、極超音速ミサイルは通常マッハ5(音速の5倍)以上の速度で飛行する。韓国メディアによると今回はマッハ3前後で、韓国軍合同参謀本部は「開発の初期段階で、実戦配備までは相当期間が必要」と分析する。それでも、完成すれば大きな脅威になることは間違いない。
 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は1月の党大会で固体燃料の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や極超音速弾頭など、多様な核攻撃手段の開発を表明している。8月には国際原子力機関(IAEA)が北朝鮮の核活動について、寧辺の核施設を再稼働させた兆候があると報告。核兵器の原料となるプルトニウムを抽出した可能性がある。
 北朝鮮は米国の敵視政策放棄や国連の経済制裁緩和を求めているとみられるが、非核化に逆行する行動を続ける限り、制裁緩和は見込めまい。
 国連安全保障理事会は1日、北朝鮮情勢を協議する非公開の緊急会合を開いた。だが、常任理事国の中国とロシアは北朝鮮擁護の姿勢を崩さなかった。安保理として一致した対応を取れなかったことは残念だ。
 拉致問題も含めた北朝鮮の諸課題に連携して取り組むよう、日本は国際社会に強く働き掛けなければならない。