[不登校最多] 相談、学習支援の充実を
( 10/17 付 )

 鹿児島県の公立小中高校生の不登校は2020年度、前年度に比べ286人増の2989人で、2年連続で最多を更新した。
 県教育委員会は「新型コロナウイルス感染拡大の影響」と分析、「生活の乱れや登校意欲が湧きにくい状況が生まれた」としている。
 子どもたちは不安や悩みを誰にも相談できず、孤立が深まっている恐れがある。気軽に相談できる体制づくりや、学習支援を急がなければならない。
 県教委によると、不登校の内訳は小学校595人(前年度比129人増)、中学校1671人(同160人増)、高校723人(同3人減)。中学生の約25人に1人が不登校という現状は深刻だ。
 理由は「無気力、不安」が最も多く、「親子の関わり方」「生活リズムの乱れ、遊び、非行」などが続いた。
 全国の国公私立の小中学校でも児童生徒の不登校は8年連続で増加し、過去最多だった。学習内容の増加で子どものゆとりがなくなっているところにコロナ禍が追い打ちをかけたとの見方がある。
 学校ではマスクを欠かせず、楽しみにしていた行事は次々と中止になる。給食も一斉に前を向き、黙って食べなければならない。我慢だらけの学校生活にストレスは増したに違いない。
 感染対策に取り組む教員らも忙しさに拍車がかかり、子どもの悩みを受け止め切れていない現状もあるようだ。
 文部科学省が昨年12月、不登校を経験した小学6年と中学2年を対象にしたアンケートによると、休むことを相談した相手は家族がともにほぼ半数だった一方、「誰にも相談しなかった」がいずれも40%前後に上った。
 「学校の先生」はそれぞれ13%と15%、「学校にいるカウンセラー」は8%と7%にとどまっている。スクールカウンセラーの増員など相談体制の拡充は急務だ。
 ただ、教員がいつも忙しそうにしていれば、子どもたちは相談しにくいだろう。教員の働き方改革を一層進め、変化を察知できる環境をつくる必要がある。カウンセラーの体制を整えるのはもちろん、子どもたちが気軽に声を掛けられる雰囲気づくりといった運用面も重要だ。
 感染への不安を理由に30日以上登校しなかった小中高校生も初めて調査し、計3万287人に上った。
 学校に行けない子どもの学習支援も考えるべきである。オンラインの環境は家庭によってばらつきがあろう。誰でも等しく自宅で授業を受けられるように整備してもらいたい。
 子どもたちの息苦しさを少しでも解消するためには、学校だけに任せるのではなく、社会全体で考えることも大切である。