[枝野代表辞任へ] 体制一新で強い野党に
( 11/3 付 )

 政権交代を訴えて衆院選に挑んだ立憲民主党は、野党第1党を維持したものの、公示前の110議席を割り込む結果となった。きのうの執行役員会で枝野幸男代表が辞意を表明したのはやむを得まい。
 共産党や国民民主党などとの野党共闘は一定の成果を上げ、選挙区では議席を増やしたが、比例は大幅に減らした。安倍-菅政治に対する不信や新型コロナウイルス対応への批判など、与党に対する国民の厳しい見方があったにもかかわらず、有権者の受け皿となりきれなかった。
 枝野氏が推進した共闘路線の是非を総括するとともに、国民の選択肢となる政策力を磨くための体制づくりに取り組むべきだ。
 立民は4野党と候補者を一本化し、289選挙区のうち213で与党や与党系の候補者と対決した。多くの選挙区で接戦に持ち込んだものの、鹿児島1区での敗退など、最終的な勝敗で与党に大きく負け越した現実は重い。
 政党の力が表れる比例票も全国で1100万票台にとどまり、4年前の前回から微増した程度だ。共同通信社が実施した出口調査によると、無党派層の比例代表の投票先は立民が24%でトップだが、日本維新の会が前回8%から20%に伸ばし、2位に迫った。
 共産党との共闘は、自民から「野合」と指摘され、立民支持組織である連合にも拒否感が見られた。芳野友子会長は「連合の組合員の票が行き場を失った。到底受け入れられない」と苦言を呈した。共産との協力の在り方は見直しを迫られそうだ。
 前回衆院選で民進党が分裂して旧立民が誕生。2020年9月に旧立民と旧国民などが合流して現在の立民がスタートした。離合集散しているとはいえ、前回選挙からの4年間で政権を担えるまで党勢を拡大できなかった点は反省しなければなるまい。
 立民は公約に、昨秋の臨時国会と今年の通常国会で計56本の議員立法を提出し、23本が成立した実績も盛り込んだ。批判ばかりではない具体的な活動も示したが、有権者に届いたとは言い難い。地方組織を強化し、日頃の地道な活動で政策を浸透させていくことが求められるだろう。
 今回の衆院選では維新が大きく議席を増やした。副代表の吉村洋文大阪府知事がコロナ対応で連日テレビに登場し、知名度を高めた効果も大きい。
 選挙戦では改革色を前面に出し、自民党との対立軸を強調することで票を集めた。明確な「選挙の顔」を据えてアピールする戦略には学ぶべき点もあるはずだ。
 政治の緊張感を保つためにも強い野党は必要だ。来夏の参院選まで時間はあまりない。枝野氏の後任選びを含め、立て直しが急がれる。