[会計検査院報告] コロナ対策は効率的に
( 11/7 付 )

 会計検査院は官庁や政府出資法人を調べた2020年度決算検査報告をまとめた。新型コロナウイルス対策費ではずさんな契約や管理の実態が浮き彫りになった。
 布製マスクは大量に残り、持続化給付金事業は再委託が繰り返された。観光支援事業「Go To トラベル」の補償金配分は不透明な状態だ。
 新型コロナとの闘いはこれからも続く。前例のない緊急事態とはいえ、税金の無駄遣いは許されない。効率的な運用に努めるべきである。
 改善を求めたのは210件、総額2108億7231万円。緊急事態宣言地域の検査ができず、指摘件数は比較可能な1994年度以降で最少となった。コロナ関連は2019~20年度の770事業を主に分析した。
 全世帯に配った「アベノマスク」などの布製マスクを調べたところ、不良品に伴う検品などの費用が約21億4800万円に上った。
 厚生労働省調達分は3月時点で約8272万枚(約115億1000万円相当)が残り、保管費は昨年8月~今年3月で約6億円。契約の際には納入業者に口頭で素材や構造を示したのみで仕様書を作らず、配布前の品質確認もしていなかったというからあきれる。
 そもそもマスク事業はどの程度の効果をもたらしたのか。余剰マスクをどう活用するかも問われる。
 持続化給付金事業で中小企業庁は昨年4月、委託業務の一般競争入札を行い、一般社団法人サービスデザイン推進協議会と約769億円で契約した。入札に先立ち協議会と3回接触。他より多かったが、詳細な記録がなかった。
 契約時の再委託費率は99.8%で、大半が電通への再委託だった。委託は繰り返され、最大9次請けまであった。事業を効率的に行うための委託であるべきだが、逆に無駄を生んでいないか。必要性や合理性の検証が必要だ。
 「Go To」の全国停止に伴い、予約キャンセルを受けた旅行会社などに支払った補償1157億円では、食材納入や清掃といった多岐にわたる関連業者にも公平に配分されたかどうかを観光庁が把握していなかった。
 誤った申請で差額4億円が発生し、支援事業の事務局が受領したままであることも判明した。補償が適切に行き届いたのか、調べなければなるまい。
 不正受給や過払いも後を絶たない。持続化給付金で約5億9000万円、雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金の抽出調査では計約13億円あった。苦境にある事業所などに支払いを急ぐ必要があったことは理解できるとしても、そのまま放置していいわけではない。チェック体制の強化が欠かせない。
 コロナ事業には今後も巨費が投じられようとしている。無駄や不正を生まないような制度設計が求められる。