[鳥インフル] 拡大阻止へ対策徹底を
( 11/14 付 )

 出水市の養鶏場で、高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認された。
 今季の養鶏場での鳥インフルエンザの発生は国内では秋田県に続いて2例目。鹿児島県では1月にさつま町の1農場で発生して以来である。
 県内の農場での感染確認は時期としては早く、秋田の発生を受けて警戒していただけに関係者の衝撃は大きい。国や県、自治体、関係機関は連携して対策を強化し、感染拡大を阻止しなければならない。
 県によると、12日午前、養鶏場で鶏が複数死んでいるのが見つかり、簡易検査で陽性反応が出た。遺伝子検査の結果、きのう疑似患畜と判定された。
 県は採卵鶏約3万8500羽を殺処分するとともに、半径10キロ圏内にある119農場の鶏計約553万羽や卵の移動・搬出を制限した。
 農林水産省の畜産統計(今年2月時点)によると、鹿児島県は採卵鶏(成鶏)の飼育数が全国3位、ブロイラーが宮崎県に次ぐ2位で、計約3573万羽に上る「養鶏王国」である。
 鳥インフルエンザはウイルスを運ぶ渡り鳥の飛来が活発になる秋以降に発生しやすい。鶏が感染すると重症化し多くは死ぬ。養鶏場に広がると殺処分や移動制限のため被害は計り知れない。近隣農場だけでなく、県内全域で警戒が必要だ。
 県は車両の消毒ポイントを設けるなど防疫対策を急いでいる。塩田康一知事は宮崎雅夫農林水産政務官と県庁で会談し「風評被害防止のためにも協力を」と求めた。県はまん延を防ぐため、国の支援も求めながら迅速に行動してもらいたい。
 出水市では荒崎干拓地にあるツル越冬地のねぐらの水から11日、高病原性ウイルスが検出された。国内で野鳥から検出されたのは今シーズン初めてで、越冬地一帯で無人消毒ポイント設置や散水車による路面消毒が始まったばかりだった。
 県は毎年10月から翌年5月まで鳥インフルエンザ対策を強化する期間と定めており、今季も家畜保健衛生所が農家を巡回調査していた。鶏舎ごとに専用靴を使用し、防鳥ネットやネズミ対策などを求めている。関係者は対策が十分か再点検が重要だ。
 鶏や農場に異変があれば、直ちに家畜保健衛生所に連絡してもらいたい。的確な初動対応が被害を最小限に抑えることにつながる。
 鳥インフルエンザは昨年度、国内養鶏場で52件発生し、殺処分された鶏は過去最多の約987万羽に上った。渡り鳥はこれから増え、感染リスクはなお高まる。
 ウイルスは人や物の移動によっても拡散する。養鶏に関わっていない人たちも、まず野鳥に近づかないことを心掛けてほしい。