[COP26閉幕] 脱炭素へ具体的行動を
( 11/16 付 )

 国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は、産業革命前からの気温上昇を「1.5度に抑えるための努力を追求すると決意する」などとした成果文書を採択して閉幕した。
 これまでより高い目標となる「1.5度」の実現に向けた国際的な意思が示されたことは評価できる。だが、実際の排出削減につながる成果は乏しかったと言わざるを得ない。
 豪雨や猛暑など気候変動が関与するとみられる異常気象は世界で頻発している。各国は危機感を強く持ち、脱炭素社会の実現に向けて具体的な行動を積み重ねていかなければならない。
 2015年に採択された地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、産業革命以降の気温上昇を「2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指す」としていた。
 その後の研究で、2度以上になれば1.5度の場合より気候変動の影響が大きくなることが示された。科学者からの警告が尊重され、パリ協定では努力目標にすぎなかった「1.5度」が、国際社会が目指すべき重要な到達点として明確にされたことは前進と受け止めたい。
 ただ、実現するためには、日本を含め多くの国が打ち出す「50年の温室効果ガスの排出量実質ゼロ」だけでは不十分だ。30年の二酸化炭素(CO2)排出を10年比で45%減らすことが必要とされるが、現状では国連の最新分析で30年の排出量は13.7%増える。
 COP26の合意には、必要に応じて各国に22年末までに30年の削減目標を再検討し、強化するよう要請することも盛り込まれている。各国は最優先で見直しに取り組んでもらいたい。
 CO2の排出量が多く、その扱いが焦点だった石炭火力については、段階的な削減を打ち出した。最終盤で「段階的廃止」から表現は弱まったものの、国連文書で特定のエネルギー源の扱いに言及するのは異例だ。
 成果文書への記載は見送られたが、石炭火力の廃止を目指す動きも広がった。主要経済国は30年代、それ以外の国は40年代までに段階的に廃止を目指す共同声明には、欧州やアジアなど幅広い地域から46カ国が賛同した。
 しかし、日本はこうした脱石炭の潮流に逆行する。10月に決定したエネルギー基本計画では、30年度の電源構成で石炭火力の割合は約2割を維持。安価で安定供給が可能な石炭火力に依存する姿勢がうかがえる。
 石炭火力にこだわり続ける日本には、世界の脱炭素の取り組みを弱体化させているという国際的な強い批判がある。成果文書には「この重要な10年間に行動を加速することが必要」との文言も記された。日本政府はエネルギー政策の見直しを含め、脱石炭へ対応を急ぐべきだ。