[死亡事故多発] 日没後は細心の注意を
( 11/17 付 )

 鹿児島県は県内全域に交通死亡事故多発警報を発令した。9日からの6日間で5件発生、5人が亡くなり、9年ぶりに県全域が対象になった。
 24日までの発令期間中、県や市町村、県警は広報活動のほか街頭監視、交通指導取り締まりを強化する。これから年末に向けて慌ただしくなる中、ドライバーには細心の注意と思いやりの運転を心掛けてもらいたい。
 死亡事故5件中、4件は日没後に起きた。そのうち1件は自転車と車が衝突、自転車の90歳男性が亡くなった。別の1件は歩行中の84歳女性が車にはねられた。はねた車はライトを下向きにし、歩行者は夜光反射材を着けていなかったという。
 夜間、先行車や対向車がいない時などはライトを上向きにして走るのが原則だ。下向きの場合、40メートルより先の歩行者には気づきにくいが、上向きなら100メートル先まで可能になる。
 今の時季、午後5時ごろには急に暗くなる。県警は日没30分前のライト点灯を呼び掛けている。早めに点灯し前方の安全を確認するのはもちろん、小まめにライトを切り替えるなど緊張感を持ってハンドルを握りたい。
 後部座席のシートベルト着用は浸透してきただろうか。一般道、高速道ともに着用が義務づけられているが、3年前の警察庁などの調査では、鹿児島県の一般道での着用率は全国平均を大きく下回った。
 シートベルトを着けずに後部座席で事故に遭うと、天井やドアで全身を強打したり、車外に放り出されたりする可能性がある。同乗者に着用させるのは運転者の義務であることを覚えておいてほしい。
 昨年1年間、県内の交通事故で亡くなった53人のうち65歳以上は38人で約7割を占め、18年連続で半数を超えた。高齢の歩行者やドライバーを見掛けたら減速、徐行することが大切だ。
 さらに、県警は高齢運転者に心得を呼び掛けている。運転する時は慌てずにブレーキとアクセルを確認、通り慣れた道を使い、夜間や悪天の日は運転を控えるなど事故のリスクを減らす取り組みを求めている。
 運転中にスマートフォンを操作したり画面を見たりしたことが原因の事故も増加傾向にあり、罰則が強化された。「ながらスマホ」は自身だけでなく同乗者や歩行者らを傷つける恐れがある。安全な場所に車を止めてから使用するよう習慣づけることが大切だ。
 自転車に乗る時も夜間はライトを点灯し、交差点では一時停止して安全確認を怠らないことが事故を防ぐ。ヘルメットは大人が率先して着用したい。
 飲酒運転が絡む死亡事故も今年、県内で発生している。運転者は交通ルールとマナーを順守し、歩行者も自分の身は自分で守る心構えが欠かせない。