[新型コロナ・5~11歳接種] まず大人が感染対策を
( 11/19 付 )

 厚生労働省は、5~11歳の新型コロナウイルスワクチン接種が早ければ来年2月ごろに始まる可能性があるとして、接種態勢の準備を自治体に求めた。
 流行の「第6波」が起きると、子どもたちの学校生活に影響が出かねない。子どもの感染は学校ではなく家族からが多いとされ、まずは周りの大人たちがワクチンを接種するなどして感染防止に努めることが大切である。
 米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックは、ワクチンの接種対象を5~11歳にも拡大するよう厚労省に承認申請した。
 米国では既に、5~11歳に対してワクチン接種が始まっている。まれに若年層などで心筋炎の副反応が報告されているとはいえ、保健当局が子どもの接種を推奨したのはメリットがデメリットを上回ると判断したからである。
 日本では厚労省のワクチン分科会が接種の在り方を巡って議論している。
 米国と比べ日本の流行レベルは低い。米国で9日までに報告があった5~11歳の感染者は約200万人、死者は189人。2日までの日本の死者は10歳未満がゼロ、10代は3人である。
 そのため分科会では「全ての5~11歳に積極的に勧めるのは慎重にすべきだ」との意見も出ている。
 5~11歳への接種には、十分な安全確保ときめ細かい配慮が求められるのは言うまでもない。国内の感染状況や海外の事例を見ながら、多くの人が納得できる結論を出してもらいたい。
 同時に、接種が必要になった時、速やかに実施できるよう態勢を整えておく必要がある。
 子どもは病歴や体質によっても事情が異なる。保護者の理解と判断を尊重することが何より大切だ。
 保護者は持病などの心配があればかかりつけ医に相談し、日本小児科学会のホームページを参考にするなどして正しい情報に接し、根拠不明のデマには惑わされないようにしたい。
 コロナ下での学校生活が長く続き、昨年度は全国、鹿児島県いずれも不登校が最多となるなど子どもの心と体に影響を与えている。その上、接種していない子どもが学校活動への参加を制限されるといった差別が生じてはならない。教員には適切な対応が求められる。
 間もなく忘年会や新年会のシーズンを迎える。参加は少人数にとどめたり、会話時のマスク着用を心掛けたりして感染防止に努めたい。感染した大人が家庭に持ち込み、子どもに広がるケースが目立つ。気の緩みは禁物だ。
 大人は自身のワクチン接種を過信することなく、基本的な対策を続けることが子どもたちを守ることにつながる。