[新型コロナ・会食制限撤廃] 感染再拡大を防ぎたい
( 11/27 付 )

 鹿児島県は、新型コロナウイルス感染防止のため飲食店での会食の際に少人数、短時間の利用を求めてきた制限を11カ月ぶりに撤廃した。
 コロナとの長い闘いで県民生活は疲弊しており、感染が下火になれば経済を回していく方向は妥当だろう。
 ただ、海外では感染が再拡大しており油断はできない。感染対策を緩めることなく、状況に悪化の兆しが見えれば再び制限に踏み切る構えも必要だ。
 県の警戒基準は、政府分科会が策定した新指標に準じて運用。4段階で区分する従来の「ステージ」から、医療提供体制を重視する0から4まで5段階の「レベル」に変更した。
 現況について、県の対策本部は「直近の新規陽性者数がおおむねゼロ」に該当する「レベル0」と判断した。
 ワクチン接種を2回終えた人は県内で7割に達している。制限の撤廃は飲食や旅行関連の業界にとって追い風になろう。
 ただし、警戒は怠れない。年末年始は会食に加え、帰省や旅行で人の移動、交流が増える。昨季の同時期は感染が広がった。
 鹿児島大学大学院の西順一郎教授は「緩和すれば感染者が増えるのは当然。リスクを認識し油断しないことが大事だ」と引き続き注意を呼び掛ける。
 感染対策を強化した県の第三者認証店は感染拡大時、営業時間などが優遇されるが、全体の2割に満たない。会食制限が撤廃されても、店の感染対策は重要だ。
 会食参加者は可能な限り3密を回避、マスクを着用、こまめに手を消毒、寒い中だからこその適宜換気、体調が悪ければ専門家にすぐ相談する-。こうした基本動作の徹底が欠かせない。
 海外の感染状況やワクチン追加接種の動きも気になる。韓国では一日の感染者が過去最多を更新。今月から防疫措置を緩和、飲食店の営業時間制限を撤廃し会食が増えたことが影響したとみられる。ワクチンの効果が落ちているとして、追加接種を急ぐ。
 感染が急拡大しているフランスでも、これまで接種完了から6カ月が経過した65歳以上を対象に追加接種を実施してきたが、完了から5カ月が経過した全成人に拡大する。
 日本では来月から3回目の接種が始まる。2回目の接種から8カ月以上を目安にし、クラスター(感染者集団)が発生した病院や施設の職員は間隔を6カ月に短縮できる。
 地域で感染が広がって迅速な対応が必要となった場合も、自治体の判断で間隔を6カ月に短縮できるが、あくまで例外的な措置という。実施する自治体が混乱することがないよう国には明確な指針を示してもらいたい。