[知事無人機容認] 県は不安解消の先頭に
( 7/20 付 )

 海上自衛隊鹿屋航空基地への米空軍無人偵察機MQ9の一時展開計画について、鹿児島県の塩田康一知事は「やむを得ない」として容認の意向を表明した。地元鹿屋市と同市議会はすでに受け入れを明らかにしており、地元自治体として最終判断が下された形だ。
 塩田知事は、住民の疑念に対して国が必要な対策を講じる点や、地元の意向を尊重したことを理由に挙げた。一方、「歓迎ではないが、安全保障環境などを考えれば致し方ない」とも述べている。
 地元や県内には依然として、暮らしへの影響や米軍基地化などを心配する声がある。県民の安全確保のため、県は先頭に立って不安解消に努めなければならない。
 知事は会見で、「1年間という期間が延長されることはないか」や、騒音問題、米軍関係者の行動、事件・事故防止などを中心に住民の懸念があったことを挙げた。
 それぞれに対し、「(1年は)日米間の合意事項」「米軍から派遣される人は事前研修を受ける」など対応が取られることを確認したと説明。県も昨日、国に安全対策を要請した。
 市と国が結ぶ協定の実効性確保を含め、対策の徹底に県が積極的に関わることが必要だ。
 米無人機の鹿屋への配備は、軍事活動を活発化させる中国軍を念頭に南西諸島周辺の監視強化などが目的だ。
 鹿児島の地政学的な位置付けについて知事は「中国や北朝鮮などの周辺国との接点として影響を受ける」として、安全保障上の役割に理解を示す。
 だが、地政学的に重要であれば、なぜ1年限定なのか疑問も生じる。「日米合意」というだけでなく、明確な根拠を国から引き出してもらいたい。
 防衛省が正式に計画を示したのは5月下旬で、鹿屋市や県の受け入れ容認まで2カ月もかかっていない。知事は時間ではなく段階を踏んだ説明会などで「(判断の)材料がそろった」と語ったが、議論は十分に深まったのか。拙速との批判があるのは当然だろう。
 県庁内に県民を対象にした相談窓口を設置するものの、県民向けの説明会などは予定していない。鹿屋市周辺の自治体などからは「十分な情報がない」などの指摘もある。防衛省に説明を求める声があれば、県は間に立って実現させてほしい。
 鹿屋市議会は、容認に際して「日米地位協定の抜本的見直しを強く求める」ことも決議した。沖縄などでの米軍による事件・事故や騒音問題への対応で問題が多発していることが背景にあるのは間違いない。
 防衛は国の専管事項ではあるが、周辺住民の生活とも密接に関わる。計画を受け入れるならば、安心・安全の担保が必須だと肝に銘じるべきだ。