[コロナ急拡大] 現場負担の軽減が急務
( 7/30 付 )

 新型コロナウイルスの感染者が急拡大している。28日には、国内の1日当たり新規感染者が23万3100人と過去最多となった。
 各地の医療現場や保健所への負担は増す一方だ。きのう閉会した全国知事会議(奈良市)では、医療人材の確保など国に対する要望が相次いだ。
 現場の負担や、重症化リスクの軽減に向けて何ができるか。国は都道府県と連携し、流行「第7波」を乗り切っていくための具体策を切れ目なく打ち出すべきだ。
 感染者急増は鹿児島県内も同様だ。今月1日の新規感染者は413人。きのうは3330人と最多を更新した。
 28日には鹿児島市の10代男性の死亡が明らかになった。20歳未満で亡くなるケースは県内初だ。若い世代のリスクを改めて認識しなければならない。
 内閣官房の集計によれば、27日時点で、鹿児島を含む19府県のコロナ病床使用率が50%を超えた。医療逼迫(ひっぱく)の目安とされる水準だ。鹿児島県は同日、6段階ある病床フェーズを、上から2番目の「緊急フェーズ1」に初めて引き上げた。
 全国知事会長の平井伸治鳥取県知事は「今のままではコロナ対応で外来診療が止まり、救急が回らなくなる恐れがある」と指摘した。有効な感染防止策を打ち出せていない国に「現場を知らない」との不満が上がるのも、もっともである。
 危機感を抱く知事会は、国にコロナ対策見直しを求める緊急提言をまとめた。その中で、感染症法上の位置付け見直しの検討に入るよう求めている。
 危険度が5段階で2番目に高い「2類相当」から、季節性インフルエンザ相当の「5類」並みへの引き下げが必要との意見は根強い。実現すれば感染者の全数報告や療養場所の特定が不要となり、保健所の負担が大きく減る。
 一方、国は現時点での変更は「現実的でない」との立場だ。今後の状況も見ながら検討を続けてもらいたい。
 提言の背景には、知事の裁量不足への反発もある。現行で認められている強力な権限は飲食店の営業制限程度に限られ、高齢者施設や学校、職場に感染が広がっている現状に、国が対応できていないと批判する。
 政府は、都道府県が独自に高齢者らの外出自粛などを呼び掛ける「対策強化宣言」の新設を打ち出した。「知事判断での取り組みを支援する」との官房副長官の説明は、知事たちの不満を踏まえたものだろうか。どこまで有効な対策となるかは不透明だ。国には引き続き、現場に寄り添う対策が求められる。
 感染急増で、鉄道やバスの運休など企業活動にも支障が出始めている。さらに深刻化しないよう、一人一人の心構えが大切なことは言うまでもない。