[焼酎輸出] 知名度アップに知恵を
( 9/3 付 )

 鹿児島県内の焼酎メーカーが輸出拡大に取り組んでいる。少子化による人口減少や消費者のライフスタイルの変化に伴い、国内出荷数量が縮小していることが背景にある。
 各メーカーは欧米人らの好みに合わせた商品開発や商談会に力を入れるが、ウイスキーやワインと比べて知名度が低いのが課題だ。海外の人々に焼酎の魅力を知ってもらえるよう知恵を絞りたい。
 酒類の市場は世界で100兆円を超える規模があるとされ、その中で日本の酒類の輸出額は0.1%に満たない。細っていく国内市場を考えると、さらなる海外市場の開拓は欠かせない。
 2021年の日本産酒類の輸出額は前年比で61.4%増の約1146億円となった。12年以降は毎年過去最高を更新するなど、好調に推移している。酒造メーカーが販路を開拓してきた成果だろう。
 政府は成長戦略の一環として農林水産物や食品の輸出額を30年までに5兆円にする目標を掲げており、本格焼酎は20年に泡盛、清酒、ウイスキーとともに重点品目に指定された。
 ただ、品目別輸出額ではウイスキー(461億円)、清酒(401億円)が合わせて7割超を占める一方で、焼酎は1.5%の17億円にとどまる。
 焼酎の輸出先の6割以上は中国と米国である。とはいえ、主に日本食レストランで現地の日系人や日本人に飲まれているのが実情で、一般消費者に浸透しているとは言いがたい。
 各国の人々に焼酎を知ってもらいファンをどう増やすか。新型コロナウイルス感染拡大により、インバウンドを通した売り込みが難しい。そのため、酒造組合などは認知度の向上へ海外の酒類専門家の招請に取り組む。県内でも、フランスや英国のソムリエ、蒸留酒の専門家が焼酎の蔵元を巡り、生産者と意見交換している。
 海外では、ワインのように原料が育つ季候風土にこだわるファンが多い。まずは焼酎の歴史や文化などストーリー性を、ソムリエやバーテンダーにアピールしてはどうか。県内メーカーの焼酎は、酒類の国際品評会でたびたび受賞しており、付加価値が高まる。
 日本酒造組合中央会は、一般人のファン獲得に先駆けて著名人らの「コアファン」をつくる戦略も描く。各国の消費者に対し広告塔の役割を担ってもらう。コストはかかるだろうが焼酎のイメージを高めることが期待できる。
 外国人の飲み方に合わせた商品の開発も必要である。県内でも、焼酎を元にしたジンや、アルコール度数を高めた輸出専用の焼酎を製造するメーカーがある。焼酎やジンは糖質やプリン体を気にせずに飲める蒸留酒である。焼酎の利点を前面に打ち出し、売り込んでいきたい。