[台風14号接近] 早めの備えで命守ろう
( 9/16 付 )

 大型の台風14号はあすからの3連休にかけて、暴風域を伴って奄美と九州南部地方にかなり接近し、上陸する恐れもある。台風情報をこまめに確認し、早めの備えを心掛けたい。
 14号は14日、熱帯低気圧から台風に変わり、今月発生した12、13号と合わせて3個が日本周辺に同時に存在する状態となった。台風シーズン本番を迎えたと捉え、あらためて防災への意識を高める必要がある。
 14号の進路上は海面水温が高いため、さらに勢力を強めながら北上すると予想されている。暴風や大雨、高波などへの厳重な警戒が欠かせない。
 災害から命を守るには、早めの避難が重要である。
 昨年から市町村による「避難勧告」が廃止された。「高齢者等避難」や「避難指示」の発令を待つことなく、地域や家庭の事情に応じてあらかじめ避難所を確認し、貴重品やスマートフォンの予備バッテリーなど非常持ち出し品をそろえておくのが望ましい。たとえ空振りに終わってもいいという心構えが肝心だ。
 鹿児島県内では一昨年、台風に備えて知人宅へ避難する途中の高齢女性が亡くなった。風雨が強まる前だったが、転倒して頭を強く打ったとみられ、側溝に倒れているのが見つかった。自分が暮らしている地域にどんな危険があるのか再確認し、高齢者らが避難するときは、声を掛け合って親族や地域住民が付き添うと、より安心できるに違いない。
 避難の際は新型コロナウイルス対策を忘れてはならない。現在、新規感染者数は減少傾向にあるが、避難所に人が集まれば感染リスクは高まる。事情が許せば、親戚や知人宅へ避難するのも一つの方法だろう。
 まだ厳しい残暑が続いている。熱中症予防には、エアコンの使用とこまめな水分補給が基本だが、心配なのは停電である。エアコンが使えない状況が長引く場合は、自宅外への2次的な避難を検討したい。
 植木鉢をはじめ、家の周囲にある飛ばされやすい物の固定や収納は台風が近づく前に済ませよう。佐賀県では先週、台風対策で屋根に上って転落した可能性がある70代男性が死亡した。危険な作業は専門の業者に依頼するなどすれば事故のリスクを減らせる。
 台風が過ぎた後も油断は禁物だ。風雨が収まってから川や用水路の様子を見に行った高齢者らが命を落とすケースが繰り返されてきた。増水した川には近づかないと肝に銘じよう。
 先月は東北や北陸で河川の氾濫などが相次いだ。その際は台風からの暖かく湿った空気の流入も一因だった。台風の中心から離れていても大雨になる可能性がある。台風位置だけでなく、最新の気象情報にも気を配りたい。