[新ワクチン接種] 説明尽くし混乱回避を
( 9/22 付 )

 新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した新しいワクチンの接種が始まり、鹿児島県内でも近く開始される。
 次の感染拡大がインフルエンザの流行と重なる可能性も指摘されており、迅速に取り組む必要がある。
 ただ、どの種類のワクチンをいつ打ったらいいのか戸惑う人は少なくないに違いない。国民や自治体に混乱をもたらさないよう政府は説明を尽くさなければならない。
 新ワクチンはオミクロン株に対し、従来型ワクチンを上回る重症化予防効果があり、発症や感染を防ぐ効果も期待できるという。接種は、年末年始に懸念される流行の再拡大に備えるのが狙いで、政府は希望者への年内接種完了を目指している。
 対象となるのはまず、4回目接種の対象で、まだ打っていない60歳以上や、18歳以上で基礎疾患がある人、医療従事者らである。オミクロン株の「BA・1」に対応した米ファイザー、モデルナ両社のワクチンを使う。
 その後、従来型を2回以上接種した12歳以上の全ての人に対象を広げる。対象を拡大する時期は、10月半ばをめどにしている。
 一方で、現在主流の派生型「BA・5」に対応するワクチンも、ファイザーは承認を申請し、モデルナも申請する予定だ。ただ、厚生労働省はこれらを待つのではなく、接種が始まったオミクロン株対応のワクチンを打つよう求めている。
 複雑な状況に、県内の市町村からも「BA・5ワクチンを待つことによる接種控えが起きるのではないか」と懸念の声が上がるのは当然だ。
 接種間隔についても、現在は前回から5カ月以上だが、3カ月以下の国もあり政府は短縮を検討している。方針と根拠を早急に示してもらいたい。
 政府はこれまでのように対応が二転三転することがあってはならない。自治体や職場接種用の供給量を詳細に伝えることが不可欠だ。
 先日政府はコロナとの共存に向けた移行策を打ち出した。感染し発症した人の療養期間を原則10日間から7日間に短縮し、全数把握してきた感染者の発生届の対象を全国一律に高齢者らに限定する。
 ワクチン普及が重要となるが、20日時点の政府集計では、ワクチンを2回打ち終えた人は8割を超すものの、3回目は65%にとどまる。政府には必要性と安全性などの判断材料をきめ細かに提供してほしい。
 現在の感染状況は全国的に減少傾向とはいえ、過去2年は年末年始に流行の波が来た。医療機関、保健所などの逼迫(ひっぱく)を繰り返さないよう政府や県は備えを欠いてはならない。