
[第8波] インフル流行も警戒を
( 11/13 付 )
インフルエンザの流行が懸念される冬を前に、政府は新型コロナウイルスとの同時流行対策をまとめた。重症化リスクの高い高齢者らの治療を優先するため、低リスクの若者らはコロナの検査キットなどを活用して発熱外来の受診を控えてもらうのが柱である。
しかし、自分が低リスクかどうか判断に迷う人は多いだろう。若者でも自宅療養中に急変するケースがある。
政府、自治体は受診抑制を強調するだけでなく、希望する患者を最大限受け入れられるよう医療提供体制の強化にも注力するべきだ。
国内のコロナ感染は第7波を経て比較的落ち着いていたが、全国的に増加傾向がみられ、「第8波」は従来を上回る規模になるとの見方がある。
ここ数年流行がなかったインフルエンザは今年、南半球に続いて北米で流行が始まっている。経済再生へ向けて入国制限が大幅に緩和され、日本に影響が及ぶのは避けられない。
政府は流行のピーク時、1日にコロナ45万人、インフルエンザ30万人の感染を想定している。熱やのどの痛みなどがある人が発熱外来に殺到すれば、たちまち現場は逼迫(ひっぱく)する。重症化リスクの高い人を優先する必要性は理解できる。
政府の対策では、高齢者や基礎疾患のある人、妊婦、小学生以下の子どもには速やかにかかりつけ医や発熱外来の受診を促す一方、その他の人には市販されている国承認のコロナ検査キット使用を求める。自己検査で陰性なら、電話・オンライン診療やかかりつけ医で診断を受ける。
陽性の場合は自宅療養時の相談窓口となる都道府県のフォローアップセンターに登録した上で自宅療養する。体調が悪化したら、オンライン診療や発熱外来受診に切り替えるが、センターの業務がパンクすれば適切な助言を受けられなくなる。安心して療養してもらうには、対応人員や応答回線の増強が欠かせない。
対策を実際に導入するかどうかは、地域ごとの流行状況を見ながら判断される。自己検査や自宅療養を求める以上、適切な時期に分かりやすく住民に説明すべきだろう。検査キットやインフルエンザ治療薬の流通状況にも目配りが必要だ。
救える命が救えなくなる事態を回避することが肝要である。最後のとりでとなる重症者向けの病床を増やす準備を整えておかなければならない。
インフルエンザワクチンは過去最多の供給量となる見込みで、コロナのオミクロン株対応ワクチンは接種が始まっている。希望すれば同時接種もできる。大規模な同時流行を食いとめるための重要な手段である。感染拡大抑制の鍵を握る若い世代は、より積極的に接種を検討してほしい。
- [中国気球撃墜] 緊張の激化回避したい (2/8 付)
- [秘書官差別発言] 政権の人権感覚を疑う (2/7 付)
- [戸籍に読み仮名] 命名の自由広く論議を (2/5 付)
- [空き家対策] 増加に歯止めかけたい (2/4 付)
- [年収の壁] 「働き損」解消が急務だ (2/3 付)
- [教員の精神疾患] 職場環境の抜本改善を (2/2 付)
- [国際線再開] 定期便見据えた態勢を (2/1 付)
- [電力不正閲覧] 許されぬ法令順守欠如 (1/31 付)
- [細田氏と教団] 議長の資質が問われる (1/29 付)
- [ネット有害情報] 監視強化で事件防止を (1/28 付)
- [1票の格差「合憲」] 抜本改革に着手したい (1/27 付)
- [衆院代表質問] 国民の前で堂々議論を (1/26 付)
- [強制不妊訴訟] 強烈な人権侵害と指弾 (1/25 付)
- [通常国会召集] 問われる首相の「語る力」 (1/24 付)
- [コロナ「5類」へ] 国はリスク含め説明を (1/22 付)
- [ストーカー規制] いかに実効性高めるか (1/21 付)
- [「東電」再び無罪] 組織罰の導入急ぎたい (1/20 付)
- [経団連春闘指針] 中小企業の賃上げ鍵に (1/19 付)
- [元徴用工解決案] 関係改善につなげたい (1/18 付)
- [民生委員不足] 大切な役割周知したい (1/17 付)
- [日米首脳会談] 緊張緩和へ協力深化を (1/15 付)
- [安倍氏銃撃起訴] 動機と背景 徹底解明を (1/14 付)
- [馬毛島基地着工] 安全な暮らし守れるか (1/13 付)
- [鳥インフル拡大] 感染対策の徹底さらに (1/12 付)
- [高齢者労災多発] 安心して働ける職場に (1/11 付)
- [生物多様性目標] 実効性の確保が課題だ (1/10 付)
- [コロナ「第8波」] インフルと併せ対策を (1/8 付)
- [技能実習制度] 抜本的な改革急ぎたい (1/7 付)
- [子ども予算] 出産育児支える社会に (1/6 付)
- [外交・安保展望] 平和国家 今こそ前面に (1/5 付)
- [政治・経済展望] 政策に国民の声反映を (1/4 付)
- [県内展望] 腰据え変化に備えたい (1/3 付)
- [日本の針路] 若者とともに考えよう (1/1 付)
- [鹿児島この1年] 米軍との一体化が加速 (12/31 付)
- [東九州道] 全線開通へ4県連携を (12/30 付)
- [年金納付の延長] 持続的な制度へ熟議を (12/29 付)
- [特定秘密漏えい] 防衛力強化に不安募る (12/28 付)
- [噴火メール終了] 気象庁は丁寧な説明を (12/27 付)
- [原発賠償見直し] 実情に寄り添い支援を (12/25 付)
- [新年度予算案] 財政規律の軽視を懸念 (12/24 付)
- [薗浦議員辞職] 資金の使途 自ら説明を (12/23 付)
- [日銀緩和策修正] 弊害の検証が不可欠だ (12/22 付)
- [学術会議見直し] 独立性維持できるのか (12/21 付)
- [全世代社会保障] 子育て支援待ったなし (12/20 付)
- [水産物と温暖化] 国が主導し現状把握を (12/18 付)
- [防衛力強化-3文書決定] 安保政策の大転換だ (12/17 付)
- [防衛力強化-1兆円増税] 規模優先でいいのか (12/17 付)
- [知床観光船調査] 国の責任も検証が必要 (12/16 付)
- [被爆2世訴訟] 実態に即した援護策を (12/15 付)
- [インボイス制度] 税負担の大転換周知を (12/14 付)
- [クルーズ船再開] コロナへの対応万全に (12/13 付)
- [臨時国会閉会] 首相は説明が足りない (12/11 付)
- [中国コロナ緩和] 激変の影響注視したい (12/10 付)
- [救済法案成立へ] 実効性高める見直しを (12/9 付)
- [75歳医療保険料] 負担増の議論は丁寧に (12/8 付)
- [電力カルテル] 顧客の信頼を裏切った (12/7 付)
- [園児虐待] 実態の解明を速やかに (12/6 付)
- [崩落事故10年] 老朽インフラに備えを (12/4 付)
- [反撃能力] 疑問解消へ十分論議を (12/3 付)
- [同性婚訴訟] 国の「放置」許されない (12/2 付)
- [馬毛島知事容認] 議会で納得いく説明を (12/1 付)
- [原発行動計画案] 国民の合意が不可欠だ (11/30 付)
- [森友改ざん判決] 遠い解明、政府は本腰を (11/29 付)
- [東京五輪談合] 疑惑の徹底解明求める (11/27 付)
- [子育て費用] 長期的な支援策推進を (11/26 付)
- [教団被害者新法] 与野党協力し一致点を (11/25 付)
- [不登校最多] 学びの機会を支えたい (11/24 付)
- [防衛力強化] 装備と費用の精査必要 (11/23 付)
- [寺田総務相更迭] 遅い決断 国民の信失う (11/22 付)
- [肥料の高騰] 輸入頼みからの脱却を (11/20 付)
- [日中首脳会談] 緊張緩和を探る糸口に (11/19 付)
- [和牛新時代] 高い技術力でリードを (11/18 付)
- [ミサイル着弾] 予断排し調査急ぎたい (11/17 付)
- [米中首脳会談] 対話継続で溝埋めたい (11/16 付)
- [日韓首脳会談] 関係改善へ対話加速を (11/15 付)
- [第8波] インフル流行も警戒を (11/13 付)
- [葉梨法相更迭] 法務行政をおとしめた (11/12 付)
- [米中間選挙] 内政の混乱を懸念する (11/11 付)