[新燃岳レベル1] 警戒怠らず自然満喫を
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 火山活動は落ち着いても油断はできない。警戒を怠らず、自然を味わうことが求められる。

 鹿児島、宮崎両県にまたがる霧島山・新燃岳の噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げられた。

 鹿児島地方気象台は噴火の可能性が低下したと判断した。レベル1になったのは、2010年5月以来7年ぶりである。

 レベルが引き下げられたことで、火口から半径1キロの警戒範囲は解除された。

 ただし、周辺の登山道は火山灰や軽石に覆われて危険な場所もある。一部を除いて大半で立ち入り禁止の措置は継続された。

 規制解除のめどはついておらず、全ての登山道の開放が見通せないのは残念である。安全対策や植生の保全などを考慮すれば、当然の措置だろう。

 自然環境に恵まれた霧島山は後世に引き継ぐ大事な宝でもある。ルールやマナーを守って登山を楽しむことが必要だ。

 新燃岳の最近の活動を確認しておきたい。火山性地震が急増し、警戒レベルが1から2に引き上げられたのは10年5月である。

 その後、11年1月、約300年ぶりにマグマ噴火を起こした。大量の降灰や大きな噴石を伴う噴火が9月まで断続的に続き、レベル3(入山規制)に引き上げられ、警戒範囲は最大で火口の半径4キロまで及んだ。

 レベル2に引き下げられたのは13年10月だ。今回の引き下げで警戒範囲はなくなったが、火山ガスなどが噴出する可能性もある。危険な登山道に入ることは絶対に避けなければならない。

 そうした中、霧島山では登山者が立ち入り規制を無視して遭難するケースも出ている。

 昨年9月には、えびの高原から高千穂河原まで縦走を試みた2人の男性が一時行方不明になった。遭難すれば、本人だけでなく多くの人に迷惑をかけることにもなることを自覚してほしい。

 現在、立ち入りが規制されている新燃岳周辺の登山道は、鹿児島県側が高千穂河原、湯之野、新湯からの3ルート、宮崎県側が韓国岳、大幡山からの2ルートだ。

 特に鹿児島県側は、大量の噴石や火山れきが飛散し、一帯が火山噴出物に覆われている。

 ミヤマキリシマが見頃となるなど、霧島山は絶好の夏山シーズンを迎えている。

 登山者一人一人の心構えはもちろん、行政など関係機関は登山道などの整備とともに、注意喚起を徹底してもらいたい。