[大飯廃炉決定] 原発依存低減の契機に
( 12/27 付 )

 関西電力は営業運転開始から40年弱が経過している大飯原発1、2号機(福井県おおい町)の廃炉を決めた。
 原子力規制委員会の認可を受ければ最大60年まで運転を延長できるが、安全対策に巨額の投資が必要となるため断念した。
 東日本大震災後に廃炉が決まった原発はこれで東京電力福島第1原発を除き8基となった。出力100万キロワット超の大型原発は国内で初めてだ。
 廃炉を進めることは老朽化した原発のリスクを減らすことにつながる。速やかに廃炉にして、電源の原発依存度を低減する方向に持っていくべきだ。
 今回の廃炉決定をその契機としたい。
 関電は来年中に廃炉の具体的な工程をまとめ、原子力規制委員会に提出する。作業は30年ほどかかると想定している。
 既に美浜原発1、2号機(福井県美浜町)の廃炉を決定しており、残る7基の順次再稼働を目指している。
 大型原発の廃炉は国の原発政策にも影響を及ぼしそうだ。
 政府は全電源に占める原発の比率を30年度に20~22%程度にする目標を決めている。だが、16年度はわずか2%にとどまる。
 今回の廃炉により目標達成は遠のくに違いない。
 さらに気がかりなのは、関電が大飯原発の廃炉を決定する一方で、新増設や建て替えに向け政府の支援を期待している点だ。
 関電は福島第1原発事故前の10年、美浜1号機の廃炉と新原発の建設をセットにした「建て替え」を表明したことがある。福島第1原発事故で白紙となったが、新原発建設に対する経営陣の思いは変わらないという。
 国が来年春をめどに見直しを進めるエネルギー基本計画に、新増設や建て替えが盛り込まれるかどうかが注目される。
 だが、福島第1原発の事故後、原発の安全性に対する国民の不信感は大きい。各地で再稼働反対運動が続き、運転差し止めを求める訴訟も相次いでいる。
 福島第1原発では、今も事故が収束する見通しは立たない。
 原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設地についても、絞り込みの道筋は見えていない。
 こうした中、新増設や建て替えに国民の理解が得られるとは到底思えない。
 国と電力会社は早急に脱原発の方向性を打ち出し、安全で持続可能な電源開発を進めなくてはならない。