[JR九州運行減] 再考求める声は切実だ
( 12/28 付 )

 JR九州が来年3月のダイヤ改正で列車の運行本数を大幅に減らす方針を示したことに波紋が広がっている。
 鹿児島など九州・沖縄各県の知事や議長でつくる「九州地域鉄道整備促進協議会」(会長・小川洋福岡県知事)はおととい同社に対し、ダイヤ改正の見直しを求める要望書を提出した。
 JR九州の方針について「沿線自治体が協力して利用促進に取り組んでいる中、一方的かつ大幅な運行本数の削減は到底承服できない」と主張している。
 大幅減便になれば、沿線住民の生活の維持や旅行者の移動手段の確保に重大な影響を及ぼすことは避けられない。
 協議会は、JR側が事前協議しないまま決めたとして不信感を募らせている。
 JR九州は方針変更はしないというが、改正にあたり地元との事前協議など理解を求める取り組みは十分だったのか、ダイヤ改正を再考する余地はないのか。
 利用者の要望は切実である。今一度、社内であらゆる角度から検討してほしい。
 同社は15日、九州新幹線と在来線の全22路線で減便や区間短縮をすると発表した。鹿児島県内でも全7路線で37本を減便する。
 過去最大の規模だけに、沿線自治体などから驚きや戸惑いの声が上がったのは当然だろう。
 協議会が要請する前の19日、鹿児島県は宮崎県とともに同社に計画の中止を求める両県知事連名の要請書も提出。「利便性や安全性が低下する懸念が地域に広がっている」とした上で、「利便性を維持するための対応策が示されていない」と指摘した。
 来年、明治維新150周年を迎える鹿児島県はNHK大河ドラマ「西郷どん」の放映が始まるなど観光への期待は高まっている。
 それだけにダイヤ改正が実施されれば、旅行者にも相当な影響を与えると懸念する。
 JR九州の青柳俊彦社長は25日の定例会見で、「やめたりとか考えていない」と減便の中止を否定。今後のダイヤについては、九州新幹線長崎ルートが暫定開業する2022年度まで新たな大規模改正は行わない考えを示した。
 鉄道会社は公共交通機関として住民の暮らしを担っているという責務がある。同時に路線維持のために効率的な鉄道事業にも取り組む必要があるのは理解できる。
 JR九州は「九州を元気にする」という経営方針を掲げる。鉄道ネットワークの維持に向け、沿線自治体などと連携して取り組みを強めてもらいたい。