[新成人の君へ] 社会再構築する主役に
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 あすは成人の日。人生の節目を迎えた新成人を祝福したい。
 鹿児島県内では今年、1万3786人が新成人となる。記録が残る1989(平成元)年以降で最も少ない。全国では123万人と推計され、統計が残る68年以降でピークだった70年の246万人の半数に落ち込んでいる。
 日本の人口は減少局面に突入している。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2053年に1億人を割り込み、65年には8808万人になるという。
 医療福祉や年金の制度だけでなく、交通網や電気などの生活インフラに至るまで、さまざまな仕組みの見直しを迫られよう。
 新成人はこの先少なくとも40年間以上、社会の最前線で経験を積み、責任と役割を増していく。人口増や経済成長を既定路線として突き進んできた世代とは異なる難しさや厳しさと直面するだろう。
 新たな価値観や手法を再構築する主役としての気概を持ち、思う存分力を発揮してほしい。
 そのためにはまず、自らの足場を固めることが欠かせない。
 すでに職に就き、自立した人もいるだろう。数年後の就職を控えて学生生活を送っている人も多いはずだ。
 就職は人生の大きな岐路の一つである。県内大学生の就職内定率は好調が続く。企業の採用意欲も高い。就職活動に差し迫った不安はないかもしれない。
 だが、就活は働き先を決めるだけではない。「自分は何者なのか」という問いと向き合う機会とも言えるのではないだろうか。
 自分のことが分かっていなければ、腰を据えて取り組めるのはどんな職種なのか、働く場所は県外か県内か、いくつもの選択肢を前に戸惑うばかりだろう。
 大卒者の約3人に1人が3年たつまでに辞めてしまい、離職率は高止まりしたままだ。選択の間違いに気づいたら出直す切り替えの早さは悪いことではないが、就活中の自問自答が十分だったかは疑問が残る。
 もっとも自分が何者かなど、納得できる回答にはなかなかたどり着けるものではない。仕事の向き不向きも、やってみなければ本当のところは分からない。
 ただ、社会を見回しながら自問を重ねること自体に意味があり、成長につながるはずだ。出合った職にまず真剣に取り組み、その世界で自分を形成していく覚悟を決めればいい。
 社会は新成人が吹き込む風を待ち望んでいる。世代を超えて手を取り合い、次世代に誇れる古里をつくっていこう。