[米軍 ヘリ不時着] 基地負担軽減に本腰を
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 度重なる米軍機のトラブルに、多くの住民が怒りや不満を抑えきれないに違いない。
 6日は沖縄県うるま市の伊計島の砂浜に、きのうは同県読谷村の廃棄物処分場に米軍普天間飛行場(宜野湾市)所属のヘリコプターが不時着した。
 米海兵隊や県警によると、伊計島では主回転翼の速度超過を示す異常が表示された。いずれも乗員を含めけが人はなかった。
 伊計島の場合、不時着現場は防風林を挟んで住宅からわずか約100メートルしか離れていない。一歩間違えれば、大きな被害が出るところだった。
 伊計島では昨年1月にも農道にヘリが不時着したばかりだ。不安を感じる住民が「いつどこに落ちるか分からない」「二度と繰り返さないで」と訴えるのは当然だ。
 米軍機の運用を巡っては、2016年12月に輸送機オスプレイが名護市沖に不時着し大破するなど事故やトラブルが相次いでいる。
 昨年1年間だけで計5回に上る。異常事態というほかない。
 12月には、普天間飛行場に隣接する小学校運動場に大型ヘリの窓が落下する重大な事故があった。
 沖縄県は全米軍機の緊急点検と飛行中止を求めたが、事故からわずか6日後に飛行が再開された。
 普天間飛行場近くの保育園屋根に米軍ヘリの部品が落下した件についても、原因究明が進んでいない。このままではうやむやな決着になりかねない。
 今回のヘリ不時着は、窓の落下事故から1カ月もたっていない。
 これだけ事故が相次ぐと、沖縄県の富川盛武副知事の指摘通り「米軍内のシステムの問題ではないか」との疑念さえ浮かぶ。
 しかもこれまでのトラブルを顧みると、全く改善が見られない。
 日本政府は米国に対し、原因究明や再発防止の徹底、飛行ルートの変更を強く求めるべきだ。
 米軍機の事故の捜査や原因究明は、日本に駐留する米軍の法的地位や基地の管理・運用を定めた日米地位協定が壁になっている。
 米側が「安全」を宣言して飛行を再開すると、日本側はそれを追認する。詳細な説明はなく、同じパターンを繰り返している、
 沖縄国際大の前泊博盛教授(日米安保論)は「米軍と日本の主従関係が露骨に表れている。文句を言わない日本の姿勢が不公平な対応を助長している」と指摘する。
 沖縄県知事は日本政府に地位協定の抜本改定を要請している。
 政府は沖縄の声に耳を傾け、地位協定の改定や基地負担軽減に向けて本気で取り組まなくてはならない。