[沖縄知事選告示] 辺野古が最大の争点だ
( 9/14 付 )

 沖縄県の翁長雄志知事の死去に伴う知事選がきのう告示され、新人4人が立候補を届け出た。
 最大の争点は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設の是非である。
 移設を進める安倍政権が推す前宜野湾市長の佐喜真淳氏と、翁長氏の後継として移設反対を訴える前衆院議員の玉城デニー氏の事実上の一騎打ちとなった。
 30日の開票結果は、政府の移設計画や今後の日米関係に影響を与える可能性がある。移設反対を訴え続けた翁長氏の遺志に、県民がどう審判を下すのか注目される。
 沖縄県土は国土面積のわずか0.6%にもかかわらず、在日米軍専用施設の約70%が集中している。米兵らによる凶悪事件や米軍機の墜落事故などが繰り返され、県民の不安と怒りは計り知れない。
 米軍基地の縮小や県外移転は、多くの県民の願いと言っていい。
 だが、普天間飛行場の返還と辺野古への移設の問題は約20年にわたって続き、県民に分断と対立を強いている。
 国が辺野古沿岸部の埋め立てを進める中、県は先月末に埋め立て承認を撤回した。法廷闘争などで埋め立て反対を訴えても、なお「辺野古移設が唯一の解決策」との立場を譲らない国の姿勢に対抗する最終手段である。
 こうした中、候補者に求められるのは辺野古移設の是非について、持論を述べることだろう。
 玉城氏は県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回を支持し、移設阻止を前面に掲げる。 
 一方の佐喜真氏は、政権とのパイプを生かした生活支援や経済振興など訴える。普天間飛行場の早期返還と危険性除去も主張するものの、辺野古移設の是非については明言していない。「辺野古」を封印することで、保守層の移設反対派を取り込む狙いに違いない。
 だが、これでは「争点隠し」と指摘されても仕方がない。辺野古移設への考えを明確に示して、有権者の判断を仰ぐべきだ。
 安倍政権は知事選後に移設工事を再開する構えだ。
 確かに、市街地中心に位置する普天間飛行場は危険である。だからといって反対派が多い中、辺野古沿岸部を埋め立て、新基地を造る必要性があるだろうか。立ち止まって見直す必要がある。
 沖縄に集中する米軍基地の負担軽減は、国民一人一人が向き合わなければならない問題である。
 北東アジアなどの安全保障環境に変化の兆しが見える中、日本の防衛政策全体の再検討が必要だ。沖縄の歴史に思いをはせ、基地問題をわがこととして考えたい。