[辺野古で初協議] 政府は歩み寄るべきだ
( 11/11 付 )

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、政府と沖縄県の初めての協議がおととい開かれた。
 杉田和博官房副長官と謝花喜一郎副知事が都内で会談。謝花氏によると、日米両政府が普天間返還で合意した1996年からの経緯を踏まえ、信頼関係を構築して話し合うことで一致したという。
 協議は、先の知事選で辺野古移設反対を掲げて当選した玉城デニー知事からの対話による解決要請を受けたものである。
 しかし、政府は「辺野古移設が唯一の解決策」との方針を変えていない。
 きのうの知事との会談でも、岩屋毅防衛相は移設を目指す政府の立場への理解を求めたのに対し、知事は改めて反対の意向を示し、議論は平行線をたどった。
 政府がこのまま辺野古沿岸部の埋め立て関連工事を再開すれば、工事に反発する県との溝は一層深まり、対立が続くことは避けられない。
 玉城氏は日米安全保障体制を認める立場を示しており、沖縄の全基地の即時撤去を求めているわけではない。
 沖縄だけに過重に押しつけられている基地負担の軽減を求め、国民全体で負担する必要があると主張している。
 市街地にあり危険性が極めて高い普天間飛行場を日本側に返還するのは当然のことだ。
 ただ、その代替として現在進められようとしている辺野古移設について「基地強化」とみる県民の反発は強い。
 政府に求められるのは、2度の知事選で埋め立てに「ノー」を突きつけた沖縄の多くの民意に歩み寄り、米政府と見直しに向けた交渉へかじを切ることだ。それが民主主義や平和主義を掲げる日本政府のあるべき姿である。
 玉城氏は11日から15日まで米国に滞在し、米政府や議会関係者らと面会して移設反対を訴える意向だ。問題解決に向けて米国の議員を積極的に沖縄に招く考えも示している。
 米紙ニューヨーク・タイムズは先月、「沖縄の米軍縮小に向けて」との見出しの社説を掲載した。その中で玉城氏の当選を受け、安倍晋三首相と米軍司令官らは沖縄県民とともに「公正な解決策を探るべきだ」と訴えた。
 ニューヨーク・タイムズは米国を代表する有力紙として世界的に知られる。日米両政府は沖縄の声はもちろん、米紙の主張にも耳を傾けてもらいたい。
 このまま工事を強行すれば将来に禍根を残すことになろう。