[希望・民進会派] 大義名分欠いてないか
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 希望の党と民進党が幹事長会談で、会派結成へ向け合意文書を取り交わした。
 仮にそのまま統一会派を組めば、衆院の議員は立憲民主党の54人を上回り、衆参両院で野党第1会派となる。人数が多いほど国会運営での存在感や発言力は強まる。
 先の特別国会では質問時間の配分を巡り、自民党が野党の配分を減らし与党分を拡大するなど「1強政治」のおごりが目立った。
 巨大与党に対峙(たいじ)するため、複数の野党が統一会派を結成する動きは理解できる。
 だが、重要政策を曖昧にして、大義名分を欠いた数合わせでは困る。
 合意内容には両党から異論が相次いでおり、最終決定には曲折が予想される。
 特に問題視されているのは、安全保障関連法と憲法改正に関する項目である。
 安保法を巡っては「違憲と指摘される部分を削除することを含め、必要な見直しを行う」としている。民進はこれまで、安保法による集団的自衛権行使を「違憲」としてきたが、合意では何が「違憲」なのか示していない。一方の希望は安保法を事実上容認してきた。
 憲法に関しても「(平和主義の尊重など)3原則を担保する観点から議論を行う」としており、改憲への立ち位置が不明確だ。
 いずれも都合よく解釈できる玉虫色の文言で「妥協の産物」といえよう。
 安倍晋三首相は年頭会見で、憲法改正に向けた早期の国会発議の実現に意欲を示した。来週召集される通常国会では、重要な論点になるに違いない。
 こうした中、安保法や憲法への姿勢が明確でない野党第1会派が誕生しても対立軸は見えづらい。
 両党執行部が統一会派結成を急ぐ背景には、低支持率への焦りがある。共同通信社の直近の世論調査では希望1.2%、民進1.3%だった。両党には「来年の統一地方選と参院選は戦えない」との声がくすぶる。
 だが、党勢回復を優先して、大義のないまま会派統一を進めては元のさやに戻るだけではないか。
 昨年の衆院選直前に結党した希望には、民進を離れ入党した議員も多い。再度、民進との違いを含め結党の意義を確認する必要がある。
 両党とも各政策を明確にした上で、政策ごとに連携の是非を議論するところから始めるべきだ。
 「統一会派ありき」の姿勢では、各党に票を託した有権者への背信行為につながりかねない。