2021/02/09 本紙掲載 

南日本小学生プログラミング大会

【 ゴールド協賛 】
【 シルバー協賛 】

 昨年12月26日(土)、プログラミングのアイデアや技術を競う「南日本小学生プログラミング大会」が鹿児島市の南日本新聞会館で行われた。事前審査で優秀賞に選ばれた3~6年生の10組が、テーマ「もっと好きになる わたしたちのまち」に合わせて制作したゲームやアプリを発表した。
 最優秀賞に輝いた、いちき串木野市の川上小6年内田悠進君は、全国大会に鹿児島県代表として出場する。

 2020年度全国選抜小学生プログラミング大会は、3月21日(日)午前10時から、東京都港区の共同通信を拠点に、オンラインで行われます。参加者のプレゼンテーションの模様はYoutubeなどでライブ配信される予定です。

■プログラミングって何?

 コンピュータにやってほしいことを、コンピュータが分かる言語で組み立てること。スマートフォン、タブレット、パソコン、テレビゲームなど、暮らしの中で使うあらゆるものは、プログラミングによって動いている。
 プログラミングに必要とされる論理的な思考力や表現力を教育に取り込むため、プログラミング教育が昨年度から小学校で必修化された。


最優秀賞

「リズムに合わせて♪ 川上おどり」

いちき串木野 川上小6年

内田 悠進うちだ ゆうしん 君

 生まれ育ったいちき串木野市川上地区に400年以上伝わる郷土芸能「川上踊」を題材にした。手がけたのはリズムゲーム。音楽は踊りに使う全23曲の中から、リズミカルな2曲「回節(まわりせき)」と「七夕」を選んだ。
 ゲームでは、動画に収めた自身の踊りをこま割りした姿を映し出す。プレーヤーは音楽に合わせて現れる画面右下の丸い玉が、左側の丸いスポットへ動いて重なるタイミングでマウスをクリック。タイミングのずれの有無で得点が決まる。難しかったのは「音楽に合わせて玉を出す時間の調整」。時間をかけて仕上げたが「まだまだ改良したい」と妥協しない。
 発表の冒頭、舞台の中央で川上踊の一部を披露して観客を引き付けた。父王騎さんと一緒に継承を守ってきた大切な踊りを「たくさんの人に知ってもらいたい」と願う。川上踊の解説に磨きをかけて全国大会に挑む。


特別賞 鹿児島信用金庫賞

「市電すごろく」

鹿児島大学附属小3年

安部 日理あべ ひさと 君

 「通学で毎日のように乗る」という鹿児島市の路面電車“市電”をすごろくゲームにした。
 2人のプレーヤーが鹿児島駅前をスタートし、サイコロで出た目の数を進みながらゴールの谷山を目指す。各駅に「一回休み」や、市電にまつわるクイズなどのイベントを用意する。
 クイズ出題のため、市電の開通時期や過去の路線などを調べて知識を増やし「脱線するほど楽しかった」と会場の笑いを誘った。


特別賞 南日本情報処理センター賞

「鹿児島県民より鹿児島を知ろう
~鹿児島県観光紹介~」

鹿児島大学附属小5年

蓑茂 笑凜みのも えりん さん

 鹿児島県の観光地や貝殻採集のレポートを日本語と英語で紹介するアプリで「鹿児島観光に行きたいと思ってほしい」。
 観光モードでは、エリアごとに観光地リストを並べ、自身で撮った写真と情報を載せる。
 クイズモードでは「桜島はどこの市町村か」「雄川の滝の水の色は」などを用意。全問正解でグルメ情報を表示する。
 「翻訳が大変だったけれど、鹿児島への思いが伝わった」と受賞を喜んだ。



 学校賞

■各校プログラミングの取り組み

鹿児島大学附属小
 月に数回、30分間の朝の活動で「ロジックタイム」を設け、全学年の児童がパズルやタブレットを使いながらプログラミングに触れている。3~6年生はクラブ活動もあり、40人が参加する。2019年度から始めた取り組みによって「プログラムの組み方と同じように、順序立てて考え、行動する力が児童たちに備わってきている」と三宅倖平教諭。

いちき串木野市 川上小
 「2019年度からICT(情報通信技術)の活用に力を入れている」と北洋昭校長。校長室の前にパソコン、タブレット、ロボットを置き、児童がプログラミングを体験できるようにした。「全校児童19人。地方でも表現力を養い、技術と生きる力を確立できるように」。理科や社会の授業にもプログラミングの考え方を取り入れ、児童が親しみやすい環境を整える。


■ 総 評 ■

 第1回南日本プログラミング大会において、最終審査にノミネートされた作品10点は、どの作品も素晴らしい作品でした。その中から最優秀賞を選定するのに、とても苦労したところです。審査結果について、3つの審査基準に基づいて、ノミネートされた作品のポイントを振り返ってみます。
 まず、発想力の観点では、全ての作品が子供らしい発想で郷土鹿児島の良さを伝えようとする作品でした。地元の踊りや市電、動植物や歴史など、鹿児島の魅力を伝えるために発想力を働かせてくれました。
 つぎに、技術力の観点です。横スクロール型やリズムゲーム、釣りゲームなど、ゲームを高める工夫が見られました。小学校の段階から、プログラミングの高い技術を身につけていることがわかりました。
 さいごに、表現力です。自分で撮影した画像や録音した音声を用いて、表現力豊かにプログラミングしてくれました。そして、周りの人に見てもらったり、Webサイトに公開したりして、広く伝えようとする様子がうかがえました。
 プレゼンテーションの様子から、指導者の方々、家族の皆さんの支えがあったこともよく理解できました。特に、著作権への配慮など、日頃から丁寧に指導いただいていることがわかりました。このような充実した成果を来年の第2回大会につながり、本大会が今後も子供たちの豊かな創造性の育成に寄与することを期待しています。

鹿児島大学大学院教育学研究科
准教授 山本 朋弘