世界中のネコよ幸せに- 鹿児島市に「猫神」あり 祭られているのは朝鮮出兵から生還した2匹


 飼い主なら、一緒に暮らす猫の幸せを願ってやまないはずだ。鹿児島市の観光名所・仙巌園に足を運び、猫の神様を祭る「猫神」を参拝した。

 「のらねこたちがげんきでいられますように」「世界中のネコが幸せに暮らせますように」-。

 鳥居をくぐると、150センチほどの石製の祠(ほこら)がある。近くには猫の絵を描いた絵馬がずらりと並ぶ。「高校合格」など“猫の手も借りたい”と言わんばかりのお願いも。新型コロナウイルスの感染拡大前には、世界中の言葉でしたためた“猫愛”があふれていたらしい。

 祠の手前には猫の置物やイワシ缶が置かれていた。わが家の猫も元気で過ごせますように-。これまで参拝に訪れた飼い主たちと同じく、そう願わずにはいられなかった。

 猫神は、島津義弘が朝鮮出兵に連れていった猫7匹のうち、生還した2匹を祭る。猫の瞳孔の大きさが変わるのを見て、時刻を判断したらしい。「時の神様」ともいわれ、時計商組合員が毎年祭典をしていたとの碑も残る。百日ぜきに御利益があるとも言われる。

 2匹のうち茶トラの1匹は、義弘の息子久保(ひさやす)がかわいがっていたことから、「ヤス」と呼ばれたと伝わる。茶トラの鹿児島での通称「ヤス猫」の由来になったとされる。

 猫神は仙巌園中央部の御殿裏手にある。毎年2月22日の「猫の日」に合わせ、愛猫長寿祈願祭を開く。全国各地から飼い主が集まるという。2021年はコロナ禍で中止したが、22年は開催する予定。「猫の作品展」も企画している。