2023/02/03 22:17

鹿屋・串良の鳥インフル陽性 2万4000羽を殺処分へ 大隅で初、鹿児島県内で今季13例目

殺処分の現場に向かう県職員=3日、鹿屋市の串良平和アリーナ
殺処分の現場に向かう県職員=3日、鹿屋市の串良平和アリーナ
 鹿児島県は3日、鹿屋市串良の養鶏場(肉用種鶏2万4000羽)で見つかった鳥インフルエンザ疑い例について、高病原性とみられる「H5亜型」の感染を確認し、全羽の殺処分を始めた。家禽(かきん)での発生は大隅地域では過去を含め初。今季県内では昨年12月21日の阿久根市以来、13例目となる。国内では74例目。

 県の遺伝子検査で分かった。詳しい遺伝子型は国の専門機関で解析している。ウイルス侵入経路などを調べる国の疫学調査チームも2月3日に現地入りした。

 発生農場から半径3キロ内は移動制限(9農場、104万5000羽)、同3〜10キロには搬出制限(88農場620万2000羽)がかかった。関係車両の消毒ポイントも制限区域内に6カ所設けた。

 発生農場を所有するアクシーズ(鹿児島市)によると、発生したのは密閉性が高い窓のない鶏舎で、ネズミの侵入防止対策なども取っていた。担当者は「生産への影響は調査中。今後の防疫対策も改めて検討する」とコメントした。

 鹿屋市は対策本部会議を開き、防疫対策の手順を確認。36の公共施設やホテルなどの玄関に消毒マットを置いた。中西茂市長は「出水市で多発してから消毒の徹底をしていた中で起こり、予防の難しさを実感した。1例で封じ込めるため、対策を徹底したい」と話した。

車両のタイヤ回りを消毒する担当者=3日、鹿屋市串良町岡崎
車両のタイヤ回りを消毒する担当者=3日、鹿屋市串良町岡崎

死んだ鶏を鶏舎から搬出する作業員ら=3日、鹿屋市串良(県畜産課提供)
死んだ鶏を鶏舎から搬出する作業員ら=3日、鹿屋市串良(県畜産課提供)
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