翔べ和牛 鹿児島全共
<特集>

 2021/10/07 10:11

鹿児島県産牛の血統■発育、繁殖能力に強み 優秀牛は引く手あまた

 鹿児島県産牛は初出品となった第2回大会以降、1席(各審査区分の最上位)獲得を逃したことがない。発育と肉質が良く、丈夫な子を産むことで高い評価を得ている。その源となっているのが優秀な遺伝子を持つ種雄牛たちだ。70年にわたって改良を重ね、磨き抜かれた血統が「和牛王国」の土台を支えている。

 県産牛の改良が本格的に始まったのは1950年代。シラス土壌で栽培できる作物が限られるため、畜産を1次産業の基幹に位置づけた。戦前から和牛産地として知られ、発育のいい鳥取県の種雄牛を導入。80年代からは肉質の良さで定評のある兵庫県の血統を取り入れた。

 改良の軸となったのは、鳥取系の「気高〔けだか〕」「金水9」と、兵庫にルーツを持つ「但馬」の3系統だ。93年には、個体ごとの遺伝能力の数値化を全国に先駆けて導入し、データに基づいた合理的な選抜に着手。県独自の種雄牛づくりを加速させた。

 現在、県内の繁殖雌牛に交配する凍結精液のほとんどが県産種雄牛のもの。そこから誕生した牛たちは全共でも活躍し、これまでに積み重ねた1席の数は全国最多の26に上る。

 前回の宮城大会で種雄牛の能力を競う1区を制した「金華勝〔かねはなかつ〕」は、次世代のエースとして期待される。金水9系と但馬系の血を引き、今年結果が出た産肉能力検定では脂肪交雑(サシ)の成績で県内歴代トップを記録した。
 えとが寅(とら)に代わろうが、鹿児島の主役は今年も牛だと言いたい。10月には「和牛のオリンピック」といわれる全国和牛能…
1月1日 11:05

 2022年に鹿児島で開かれる全国和牛能力共進会(全共)。「和牛のオリンピック」といわれ、第12回となる鹿児島大会は22…
10月7日 10:13

 鹿児島県産牛は初出品となった第2回大会以降、1席(各審査区分の最上位)獲得を逃したことがない。発育と肉質が良く、丈夫な…
10月7日 10:11

 全国和牛能力共進会が目指すのは、コストパフォーマンスが良く、消費者ニーズに合った肉を生み出す牛づくりだ。審査のポイント…
10月7日 10:09

 70年に及ぶ県産牛改良の歴史で、伝説の「スーパー種雄牛」がいる。金水9系の「金幸」は凍結精液が交配に23万6660回(…
10月7日 10:08