
悪石島
南日本新聞「こちら373」で、読者に「2021年鹿児島十大ニュース」を選んでもらったところ、1位は「新型コロナウイルス対策進む」だった。2位以下は「霧島神宮の国宝指定へ」「奄美・沖縄世界自然遺産登録」「大島高校センバツへ」と続き、長引くコロナ禍の中で地元を元気づける明るい話題に票が集まった。
南日本新聞は毎年、記者の投票で県内十大ニュースを決める。今年は記者と同じ26の候補を読者に示し、印象に残る五つを選んでもらい集計した。22、23の両日、無料通信アプリLINE(ライン)の友だち登録者に呼び掛け、314人が回答した。
今年も読者の関心は圧倒的に新型コロナ。理由として「ワクチンの予約が大変だった。スマートフォンの扱いに疎いので今後も不安」「コロナで仕事も行事もなくなった」などの意見が寄せられた。また、記者の選ぶ十大ニュースに入らなかった「与論島など軽石漂着」「悪石島で震度5強」「サツマイモ基腐(もとぐされ)病拡大」が、読者投票では10位以内に選ばれた。
政治に関するニュースは報道する側と読者で差が出た。新型コロナ対応などが大きな争点となった「衆院選」は11位、米軍機の訓練移転など西之表市の馬毛島関連は12位と、読者投票で10位以内に入らなかった。
コロナで沈む気持ちを明るいニュースで奮い立たせた1年。「霧島神宮の国宝指定に誇りを感じた」「世界遺産で奄美の魅力が認められた」「大島高校のプレーに胸が熱くなった」などの声があった。
本社の示した選択肢にないニュースを挙げる読者も多かった。特に鹿児島大学の学生が犠牲になるなど続発した飲酒死亡事故を印象に残ったニュースに挙げ、「胸が締めつけられる」「飲酒運転の撲滅を」と訴える人が目立った。

インド由来の新型コロナウイルス変異株「デルタ株」の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)