ガソリン価格の高騰が続く中、「少しでも燃料を節約できる運転方法を知りたい」との声が南日本新聞「こちら373」に寄せられた。鹿児島県のレギュラーガソリン平均小売価格は191円60銭(8月28日時点)と全国で長野県に次ぐ高値。家計への影響を抑えるべく、燃費のいい運転を専門家に聞いた。
「エンジンに負担を掛けない走りが大事。最も燃費が悪くなるのは、停車したままエアコンをつけて涼むこと」。自動車専門誌に独自の燃費研究を30年以上連載した鹿児島市喜入の満山一朗さん(84)は説明する。バッティングセンターで活躍し「鹿児島のイチロー」として有名だが、知る人ぞ知る燃費のプロだ。
満山さんによると、進行先が赤信号にもかかわらず無駄に加速したり、青信号になった瞬間に急発進したりすると燃費は悪化する。信号での停止や下り坂では早めにアクセルを離し、エンジンブレーキを利かせるのが効果的という。
「前方を確認して適切な車間距離を保ち、一定の速度で走行を」と満山さん。かつての燃費調査で、朝の通勤時間帯は渋滞のピーク時より30分早く家を出ると、燃費が最大30%向上したと指摘する。
日本自動車連盟(JAF)はホームページで燃費のいい運転を紹介。燃料消費の約4割は発進時だとして「やさしい発進」を勧めている。日頃の整備、点検もポイントに挙げる。
タイヤの空気圧不足も燃費悪化の原因になるとして、給油時など月1回程度のチェックを呼びかけている。自分でセルフのガソリンスタンドなどで空気を充てんする際は、運転席ドア付近などのシールで適正な空気圧を確認できる。
JAF鹿児島支部の原山大器さんは「遠出などの際に道路交通情報を把握しておけば、時間も燃費も節約できる。エコな運転を心掛けることは安全運転にもつながる」と話した。

タイヤの適正な空気圧を表示したシールを指すJAF職員=鹿児島市新栄町

運転時のポイントを説明する満山一朗さん