小学生の「ラン活」なぜ? 原則は選択自由、「髙い」と感じている人多いのに… 【福岡】

 2022/09/02 10:10
 「小学生はなぜ、高額なランドセルを使うのでしょうか」。福岡県内の女性から、西日本新聞「あなたの特命取材班」に素朴な疑問が届いた。消費者の高級志向や原材料費の高騰で、ランドセル価格の上昇は続く。取材班によるアンケートでも、7割が「高い」と感じ、必要性について「いらない」が4割とともに最多。一方で人気品の品切れ前に早くから店を巡る「ラン活」の経験者(予定者を含む)も4割に及んだ。根強いランドセル文化が続く中、やめたくてもやめられない心理が一部で生じているようだ。

 投稿者は、ランドセルの価格高騰を報じた本紙4月14日付朝刊の記事を読んで疑問が湧いたという。

 ランドセル工業会(東京)によると、2021年のランドセルの平均購入額は前年比3・2%増の約5万5千円と上昇傾向だ。幕末に輸入された布製のかばん(背のう)が、ランドセルの原型。箱形は大正天皇の入学祝いに献上され、一般にも普及していった。

 小学校によって、通学バッグにランドセルを指定するケースもあるが、原則的にどんなものでも選択は自由だ。それでも、ランドセルを選ぶ家庭は多い。

 東京の水泳用品メーカーが20年に実施した調査で、入学前にランドセルを購入した人は9割ほど。「ランドセルしか選択肢になかった」「学校の指定カバンだと思った」との理由が多かった。福岡市教育委員会は「転倒時にクッション代わりになるなど安全性の観点から選ぶ家庭が多いようだ。原則的に選択は自由で、学校側ともよく相談して決めてほしい」と話す。

   ◆    ◆

 取材班が4月から実施したアンケートには66人が回答。平均購入額について75・7%が「高い」とし、「入学時はほかにも買う物がある」と負担感を訴えるコメントもあった。「安い」との回答はゼロで、「妥当な額」とした福岡県糸島市の女性(40)は「6年間使える耐久性があり、作りもしっかりしている」と理由を説明した。

 一方でそもそも「ランドセルが必要と思うか」を尋ねた。最多は「いらない」の43・9%で、軽いリュックサックや肩かけカバンを望む声が多かった。ただ「分からない」(30・3%)、「必要」(25・7%)と意見は割れる傾向だった。

 東京都の女性(50)は、10年ほど前にランドセルの販売員を経験したが「いらない」の立場。今は放課後児童クラブで働いており、低学年児が背負った瞬間に重さでふらつくのを見かけるためという。「『軽量化』といっても重い。水筒やタブレットなど荷物が増える中、学校や自治体側が別の選択肢も示せればいい」と取材に答えた。

 「必要」とした理由では「小学生が通学していると一目で分かる」「丈夫で、形にはやり廃りが少ない」などの意見があった。

 ラン活経験を尋ねると「経験した・する予定」が43・9%と最多。さいたま市の女性(45)は「人気のメーカーは早期に予約しないと品切れになる」と懸念。埼玉県川口市の男性(52)は過熱する風潮に対し「同調圧力が強くて(ラン活を)やらないとは言えない空気だ」と本音を明かした。

 一方で「経験していない」約3割、「避けた・避けたい」約2割だった。
(西日本新聞提供)
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