10万円給付 鹿児島県内自治体、対応に知恵絞る

国に先駆け補正予算 作業量膨大で専門班
(2020/04/25 09:30)
南日本新聞ニュース
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急経済対策で、全国民に一律10万円給付を盛り込んだ国の2020年度補正予算案が30日に成立する見通しだ。政府は早期給付を目指すものの、実際に申請を受け付ける鹿児島県内の各市町村は膨大な事務作業が想定され、専門チームをつくるなどして備えている。

 「一日でも早く届けて、町民の生活不安を解消したい」。長島町の川添健町長はこう話す。県内最速を目標に、4月28日に臨時議会を開き、関連経費を盛り込んだ補正予算案を採決してもらう考えだ。5月12日の給付開始を見込む。

 錦江町は、国と同じ4月30日に補正予算案を専決処分する予定で、申請書類を入れる封筒の準備を進める。懸念は町内に多い外国人労働者。担当者は「日本語が分からない人も多い。漏れがないようにしなければ」と気を引き締める。ほかにも薩摩川内市や出水市、和泊町、与論町などが部署を超えた特別班を編成し、5月中に給付開始できるよう対策を練っている。

 町村に比べ、人口規模が大きな市の多くは開始時期が見込めない状況だ。60万人都市の鹿児島市は「国の方針や申請システムの情報がまだ不十分。正確、迅速に対応したい」と述べるにとどまる。

 政府は感染拡大防止のため外出自粛を促し、郵送かインターネットでの申請を勧める。しかし、ここにも問題が潜む。高齢化が進む市町村からは「身分証明書や通帳の写しも必要。しっかりそろえられるだろうか」との不安が聞かれる。

 離島の自治体では職員が各戸を回って説明することも検討している。宇検村は14集落の各公民館にコピー機と職員を配置。龍郷町も各集落に住む職員をリーダーにして、申請手続きを手伝う考えだ。竹田泰典町長は「高齢者には貴重な生活費になる。取りこぼしがないよう万全の態勢を整えたい」。

 国と各市町村の連絡役になる県は、給付金を装った詐欺被害を心配する。「ATM(現金自動預払機)での操作をお願いしたり、振り込みを求めたりすることはない。気を付けて」と呼び掛けている。