聴覚障害者ら困惑「マスクで表情読み取れない」

鹿児島県内 当事者団体、配慮と理解訴え
(2020/05/11 16:30)
表情が分かるようマスクを外して手話で会話する聴覚障害者=1日、鹿児島市の就労継続支援B型事業所「しゅわん家」
 新型コロナウイルスの感染予防のため、鹿児島県内でもマスク着用が定着しつつある。だが、意思疎通のために相手の口の動きを読み取ったり、表情を見たりすることが欠かせない聴覚障害者はコミュニケーションに困ることもある。

 約200人の会員がいる県聴覚障害者協会の寿福三男事務局長(鹿児島市)によると、手話は同じ動きで違う意味を表すことがあり、口の形で判断する。表情で疑問形や強弱の表現も読み取るため、口元がマスクで隠れていると分からないことがあるという。

 小売店での「箸がいりますか」「ポイントカードをお持ちですか」などの問いかけも、普段は店員の口の動きで判断するが、マスクをしていると分からない。

 協会の大久保正代会長(同市)は「店員がこちらの顔を見たまま手を止めているので話しかけられていると感じることはあるが、結局、何を言われたのか分からないまま、レジ作業を続けられることがある」と話す。

 雰囲気から話しかけられていると察して、手話や身ぶりで聞こえないことを伝えてマスクを外すよう頼むと、ほとんどの店員は応じてくれるが「嫌そうな感じで、とってもらえなかったこともある」。

 公共交通機関の利用や通院などでも、身ぶりや筆談などでコミュニケーションする。だが、マスクで表情が分からず、尋ねるのを遠慮してしまう。「鹿児島で感染者が増えると、断られることが増えるのでは」と危惧し、聴覚障害者への配慮と理解を求めている。