H2B有終打ち上げ成功 9号機こうのとりISSへ 種子島

(2020/05/21 20:00)
こうのとり9号機を載せ上昇するH2Bロケット9号機=南種子町平山
 三菱重工業は21日午前2時31分、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の物資補給機「こうのとり」(HTV)9号機を搭載したH2Bロケット9号機を、南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。こうのとりは約15分後に予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。両機とも今回が最終号機。こうのとりは25日、国際宇宙ステーション(ISS)に到着する予定。

 H2Bは、2009年9月11日に打ち上げた初号機から全て成功となった。運用中のH2Aと含めた成功は44機連続で成功率は98%。

 こうのとりは全長10メートル、直径4.4メートルの円筒形で食料や実験装置など約6トンの物資輸送が可能。大型機器をISSに運べる唯一の補給機となっていた。14年以降、ロシアと米国が相次ぎ補給に失敗し、15年8月に打ち上げられた5号機が補給に成功、日本の存在感を示した。

 9号機は日本製リチウムイオン電池を使った新型バッテリーや実験装置、食料品など約6.2トンを、高度約400キロのISSに運び、1~2カ月間に係留される。こうのとりの機体外側にカメラが取り付けられ、ISSに接近、係留、離脱する際、近づいたり離れたりする動画を撮影。動画をISSにリアルタイムで送ることができるか検証する。将来、自動接続をする際に必要な技術の一つとなる。

 こうのとりは物資を移した後、ISSでの役目を終えた実験用品などを積み込み、大気圏に再突入し、燃え尽きる予定。

 JAXAはH2Bの後継機「H3」と、こうのとりの次世代機「HTV-X」を開発中でH3は本年度中の打ち上げ、HTV-Xは21年度からの運用を目指す。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、三菱重工やJAXAは種子島入りする人員を減らすなどの対策を講じた。地元3市町とともに、来島しての打ち上げ見学自粛も呼び掛けた。