初の八重咲きテッポウユリ「咲八姫」開発 鹿児島県農業開発総合センター

(2020/05/21 23:00)
八重咲きのテッポウユリ「咲八姫」=11日、県農業開発総合センター
 鹿児島県農業開発総合センター(南さつま市)は、テッポウユリの初の八重咲き品種「咲八姫(さくやひめ)」を開発した。従来は花びらが6枚の一重咲きだが、咲八姫は12~15枚の花びらが重なり合って咲く。華やかな見た目から、これまで一般的だった仏花だけでなく、ブライダルなど新たな需要が生まれると期待されている。

 テッポウユリは南西諸島が原産で、県内の主な産地は沖永良部島。県のユリ類出荷は輸入品との競合や価格低迷、栽培農家の高齢化から20年前の半分以下に減っており、1999年から消費拡大を目的とした新品種の開発を始めた。

 咲八姫は12年に交配し採取した種から育成。従来のテッポウユリは下向きに開花し、花粉が多く花束などに使いづらいという弱点があったが、咲八姫は上向きに開花し、おしべの数が減ったため花粉も少ない。葉枯病に強く、露地栽培にも適している。

 「切り花としてだけでなく一般家庭での栽培需要も見込まれる」と複数の種苗業者から要望を受け、18年に品種登録を出願した。生花店にも「気品がある」と好評だった。

 今年9月から沖永良部島で球根を増やす。切り花の市場流通が始まるのは3年後の見込み。開発にあたった同センター花き研究室の今給黎征郎室長(50)は「テッポウユリは仏花のイメージが強いが、八重咲きは華やかな見た目で結婚式など新たなニーズが期待できる」と話した。