H2B成功 最終号機照らす感謝のブルー 種子島

三菱重工、JAXA「医療従事者や地元など全ての人へ」
(2020/05/22 17:30)
暗闇に青く浮かび上がるH2Bロケット9号機=21日午前1時55分、南種子町平山
 鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから21日、打ち上げられたH2Bロケット9号機と物資補給機HTV(こうのとり)の最終号機。打ち上げから約1時間半後、三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、コロナ対策としてウェブ会見を開いた。冒頭、画面には全ての人への感謝を表す青い光が照らす9号機が画面に映し出された。

 JAXAの山川宏理事長は「医療従事者や家族、打ち上げに協力してもらった地元など全ての人へ感謝を表現した」と意義を説明。三菱重工の阿部直彦防衛・宇宙セグメント長は「今回の成功が、現在コロナと闘っている方、不自由な生活を余儀なくされている方、先々に不安を抱いている皆さんに、ほんの少しでも明るい気持ちや元気を届けられたなら光栄」と述べた。

 全国で行事の中止、延期が相次ぐ中での打ち上げ。三菱重工とJAXAは医療体制の脆弱(ぜいじゃく)な島にウイルスを持ち込ないため、テレワークなどで島滞在人員を2~3割減らした。島内での外出を控え厳戒態勢を敷いた。
オンラインでの記者会見に応じる宇宙航空研究開発機構(JAXA)の山川宏理事長=5月21日午前4時25分ごろ、鹿児島市の南日本新聞社

 H2Bは、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ「こうのとり」の“専用機”として、2009年の初号機から成功を重ねた。こうのとりはISSの根幹を支える新型バッテリーや、宇宙飛行士の生活用品などを運ぶ重役を担った。阿部防衛・宇宙セグメント長は「100%の成功は、一機ずつ積み上げてきた結果。ほっとしている」と胸をなで下ろした。

 H2Bの全9回の成功に、山川理事長は「日本の宇宙輸送を支える基盤が強固になっていく。基幹ロケットとしての成功はH3の開発につながっていく」と断言した。

 こうのとりは25日のISS到着を目指す。山川理事長は「これからが本番。JAXAとして気を引き締めて運用していきたい」と話した。